BLACK DRUM IN NJ-06(00)-10 ― 2017年12月12日 10:11
終わりに添えて
16年後の君はどうしているのか
2000年の春に上げたストライパー
どの魚かは覚えていないが当時最大個体は、24Lbくらいあった。
ストライパーとしては成魚になるが、まだまだその倍以上大きくなる。
フェザージグで釣ったものかライブベイトバンカーで釣ったのかも忘れたが、ストライパーはとても元気で良いファイターである。
この釣行の出発30日くらい前に、米国に長年住んでおられた師匠に聞いてみた。
“ドラムには、どのクラスの竿が良いか”とお聞きした。
師匠は、即答で「FTS16クラスで十分である。」と師匠は回答された。
そのような人は我が国にはそう多くはいない、いや殆どいなかったと思う。
今もいないとおもう。
その後撮影したものをDVD化した。
それを早速師匠と服部名人にも見て頂いた。
海外釣行の先駆けでもあり、パイオニアでもあった服部名人もドラムは初めて見る魚だとおっしゃっていた。
その当時には、もう既に高齢になられた名人であったが、私のどうでも良いDVDを必死に見ておられる姿には感服したのだった。
その夜、名人の行きつけのお店で、師匠と名人、ゲスト数名で会話を楽しんだ。
名人は、あまり魚が好きでない事は多く語られていないが、マグロの赤身だけは食べられるとおっしゃっていたと記憶している。
その日は、今ではソリッド泳がせ竿の有名な会社の関係者とも良い話ができた。
“○越くんも誘ったが忙しいみたいだった”と言っておられたのを今でも何故か覚えている。
その名人も既に故人である。
それだけ一人生と言う事になろう。
再びドラムを釣りに行く事は恐らくないかもしれないが、折角の思い出した事でもあるのでまたトライする日がくるのかもしれない。
2006年のドラム釣を思い出して
2016年1月21日
経年とは
形あるものはいずれ滅びると言うが情念は、解放されなければ永遠なのかもしれない
ほぼ21年前になるこの竿は、ショアGTロッドとして青木氏と屋久島へ出向いたものである。
朽ちる前の風化した状態の竿は見るに耐えない。
私の師匠が1990年頃設計したものでグラファイトのオーバーキャップフェルール方式のロッド。
多くのロッドメーカーがこの方式を採用している。
当時恐らくFuji HVSG&SVSGと言うロングセラーガイドが装着されていたと思うが、無残にも取り去られていた。
コートは、U40と思ったが定かではないがエポキシは黄変してから何年も経っていた。
当時は、このトロンダック社が最も良いとされていたので使ってみたが現在では使っていない。
モノであれば何れ無くなる。
経年劣化は、あらゆる万物にはある事で、人であればそれは老いて死ぬ。
モノの価値は、経済的には自然と原価償却と言う事でその価値はどんどんと下がって行くのが普通である。
対して、それに付加価値や希少価値、骨董としての価値がでてくる場合もある。
2015年の秋頃になってから、20数年と言う歳月と過ぎて放置してあった11fのGTショアロッドをレストアしてみる。
捨てようと思ってそのまま、放置されて、毎年分解して捨てようと思いながらも、その主人からの災難を必死で乗り越えて来た道具がそこにあった。
なんとも不思議な事で、なんだか閻魔大王の裁きを逃れて、御釈迦様から雲の糸が下がった感じになった。
しかも、その糸は切れる事なく、無事復活を遂げさせた。
大した釣果も無かったが、蘇生術みたいで報酬と言う経済効果は無かったがそれでも気持ち良いものである。
先ずこのどの部分を活かしてからレストアするかと言う事になるが、リールシートはそのままクリーニング作業で使えると判断した。
それだけかっちりと接着されていたこともあり、リスクを負ってそこまで破壊するまでもないかと思った。
またこのグリップの太さと長さが幸いした。
画像にはないが、リアグリップのEVAはセパレートで25cmくらいあったのでそれをカットして縮めた。
汚れてしまったこのEVAグリップを新しい綺麗な面がでるまで#60番~#400番で研磨作業をおこなった。
ここは、流石EVA 直径1mm程度削ればほぼ新品の状態となった。
次にこの古いスレッド(糸)を外して行くがスレッドはまだ生きていた。(劣化していなくて強度がある状態)
そこは直射日光に晒され続けられていない証拠でもある。
作業が進むと、ちょっと黄変したエポキシの残骸が多く出る。
仕事は、古い部分をすべて取り去る除去、クリーニング作業を繰り返すしかない。
オリーブグリーンの部分は全てスレッドである。
ウレタン塗装ではない。
ハンドル部全容、グリップバランスは見直した。
RG(リアグリップ)は10cm程度カットされているブランクはその部分はスレッド巻きしてある。
バットキャップは富士BRC22.0であるがここは、取り去る事はしなかった。
20年選手続行になる。
トリムピン(飾りの金属光部分の糸線)は、ここのところナルト巻きと言うサンドした手法を用いているパターンを増やした。
フロントは削り直し、ワインディングチェックも新規とした。
ガイドはFujiの主力でもあるKWガイド。
よりよい実践的なガイドの開発を望むばかりだが、規模の小さいビルダーの意見は、大企業株主総会の数株程度の影響でしかすぎない。
つまりあまり意味がないと言う事である。
ブランク部は、塗装をすべて剥がして、仕上げ直す。
つまりこのロッドは、塗装部分もすべて剥ぎ取られて磨きなおされてからグリップの成形し直し。
そしてクリーニングされてから再度スレッドを巻いて行くと言う工程を辿る。
これは、なかなか大変である。
これに、過去からの生まれ変わりと行きたいもので、それを祈念してレストアしたのかもしれないと思った。
2015年から16年への橋渡しのなってくれればと思うこのごろである。
2016年1月21日
再編集日 2017年12月11日
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