BLACK DRUM IN NJ-06(00)-6 ― 2017年11月14日 17:17
我々は、昨日のボーズに加えて益々の不安を覚えたが、それでも船は、希望とやらを乗せて出港して行った。
この釣は、この広い湾内の魚道と思わしきポイントにアンカリングするのが基本となる。(イカリを下ろして)
湾内は、基本砂地であるらしい。
観察してみると、どうもノッコミ時の彼らの回遊ルートにアンカーを下ろしての待ちの釣りと言う事になるみたいである。
前日の要領で、仕掛けをキャストする。
そして、しばらくすると・・・・。
MOON701- FTS16 16Lb
ラインクラスが絞り込まれるが、まだまだ余裕である。
恐らく一本目のショット。
非常にお気に入りの竿ではあったが、友人のところに置いてきたままになった。
今ごろ、どうなっているかは不明のまま。
その行方は、私は知らないが既に10年後となればもう誰かのものになっていると思う。
こちらは、友人のMOON 701-umLB5P
グラスコンポジット、ライブorデットベイトに威力を発揮するソフトティップパワーバット。
ガイドは富士ハードガイドであるが、特に問題は無い。
1980年代までは、このハードガイドが最先端であったように記憶している。
このクラスの魚であれば十分である。
竿はまだまだ絞り切れる。
リールはZEBCO Quantumの日本製両軸のスタードラグモデルだったと記憶している。
かなり竿を絞ってはみるが、まだまだ余裕と言うところか。
キャプテンは、このような竿はUSAにはないと感動していた。
しかし、リバーサルフィルムから起こした写真のセレクトにはかなり困った。
映像に依存していた事もあるし、フィルムは6本しか持って行っていなかった。
すべて撮り切るつもりだったが、ストライパーフィッシングでも2本は使っていた。
中型のブラックドラム。
イシモチのお化けとはこのような感じかな?と思う。
そのボディの感じはアカメに似てなくもない。
正にドラムを叩いたような低い音が響く。
イシモチの様にかわいいグーグーと言う音ではなく、本当にドラムを叩いたような響く音がした。
BLACK DRUM IN NJ-06(00)-7 ― 2017年11月18日 13:01
なかなかパワフルな引きで、のっこみでなければ更にパワーはあるのではないかと思う。
とても良いトルクのある引きは、その体高と尾鰭から引き出すパワーなのか、なかなかすばらしい魚である。
レギュラーサイズ1本目。
慎重にやり取りしたが中型スピンでも十分いける。
当時のリールは、日本製でと言う事でわざわざDAIWAフリームスKIX4000番を使用した。
あの価格で日本製とはDAIWAもまだまだやるなと思った頃である。
なかなか良いアングルでの撮影がないのが少し残念であるが、アナログ撮影メインではどうにもならない。
友人も私もデジカメは持参していたが、その枚数もあまり無かった。
こちらは二周り程大きめの太った魚体。
背中のせっぱり具合からすると、恐らく雄?ではないか?と思うのだが真実は如何にと言うところ。
キャプテンのギャフ掛けは、場所を選ばない。
全くもって気にしないアメリカンスタイルである。
口の周りに掛ける習慣は、リリースを考えていない場合無いみたいだ。
キャプテンボブは、その怪力でボンボン引きぬく。
そして、時折その合間にジュース変わりにLiteをぐんぐん飲みほして行く。
全く酔っている様子はない。
ジュースがわりとか言っていた。
恐ろしい体力である。
まともに戦っては勝てそうもないが、我々の御先祖はほんの70年前に彼らの祖父達と死戦を繰り広げたのである。
年齢的には同じくらいなのだが、なんともボブの方がはるかにパワフルだった。
鱗は硬く、大きい。なんとなくおっとりしているその顔つきは憎めないが、その愛嬌面からは想像もつかないファイトをする。見た目とは裏腹なタイプである。
もう少し良く撮影できていれば良かったと見返して何度も思うが、中でもこの魚体が生きた鱗色をしている。
背後から撮影した中では、この写真が一番竿を綺麗に写しだしている。ゴンゴンと竿を絞り込んで抵抗している様子。
白身のお魚にしては、とても頑張る。
この魚体は、大きく背中の肉がせり出してなんとも格好の良い感じだが、これがひょっとすると雄なのかもしれないが、確認はしていない。
頭部はイシナギ並みに硬かったと思う。
(イシナギの頭骨の硬さは半端なく硬い)
頭部は簡単に捨てられてしまう。なんとももったいない話である。
BLACK DRUM IN NJ-06(00)-8 ― 2017年11月22日 17:57
分厚い口に御髭まで蓄えているが、これは、このドラムが底生動物を主力として餌にしているのではないかと容易に考えられる。
口もやや下向きにあり、歯はざらざらとして細かいが甲殻類は丸飲みにしているのかその奥に喉頭歯が有るタイプなのか確認していなかったのはとても残念である。
餌は、カニとくクラムなので日頃からこのような餌を食べていると思われるが、いつか研究者から話を聞きたいと思う。
勿論全て英語だが。
鼻腔は2対、前鼻腔から水と一緒に匂い成分が入って後鼻腔から出て行くシステム。
もう少し掘り下げてこの魚体を解剖学的にも理解したいところである。
立派な体型は、成魚の風格でもある。
こうしてみると個体差がかなりある風に見えない事もない。
そして、とても立派な側線が確認できる。
ギャフ掛けの都合上いつも血まみれになる撮影は若干残念ではあるが、キープされるためなのか、アメリカ人はそれを気にしていないのか判らないが、それは多く望めない。
この魚は、当時の州規則で1日一人3本までキープできた。
この日は、5人だったので、計15本が許されていた。
(キャプテン、カメラマン、アングラー3人の計5人と言う計算になる。)
しっかりとした資源管理の元で行われている。
その点に的を絞ると我が国には残念ながらその法律はない。
この国では、サイズやキープの違反は即切符で罰金となる。
このレギュレーションは、州によって異なる。
キープする魚の扱いは真に雑ではあるが、そこは流石合衆国である。
我々にとってはかなりの重労働な作業であるが、キャプテンはもろともしなかった。
画像は持ち上げようとする友人とドラム。
抱えるにも一苦労する。
その尾柄部と尾鰭は素晴らしい。
胸鰭も案外長くてシャープなイメージは、面構えからは想像しにくい魚である。
この胸鰭は、ロウニンアジに似てなくもない。
最大サイズを抱えようとするが、一人ではなかなかである。
折角のシャツも何もかも粘液と血まみれ。
正確には計測していなかったがイグロの160qtには全く入らないサイズで、このクーラーに入った小さめの2本以外は、すべてキャプテンの御持ち帰りとなった。
この右の画像は、恐らくは40kg前後だったと思うが記憶は曖昧でだが、決して今流行の望遠や魚眼レンズ、前出し撮影はしていない。
この魚は、老成魚の風格もあった。
最大級でも120Lbくらいだったと聞いたのでこのサイズだと大きい方ではあると思う。
北米では、魚の名前は単純なのが多い。
この魚がブラックドラムと言うのに対してルアーで良く狙われるレッドドラムと言う魚がいる。
レッドはブラック程大型にはならないが、なかなかゲーム性もパワーもあり人気のゲームフィッシュらしい。
もうひとつ、西海岸でホワイトシーバスと言う種類のものがいるがこれが日本で言うオオニベと比較的近い種類に見える。
詳しく分類した訳ではないが、かなり近い種類に思える。
因みにと何年か振りにIGFAの記録を調べてみたところ、ブラックドラムのレコードは2015年現在のオールタックルで51.28kg、レッドドラムでなんと42.69㎏あった。
かなり近い数値であった事には少々驚いた。
さらに序ばかりとJGFAのサイトで確認したところオオニベは27.00㎏であった。
それでも日本にもまだこのようなニベ科の魚が少しでも存在することに完全にフィールドが終わりではない事に救いようがあると感じた。
勿論非公式であれば、どちらも更に大型が上がっている可能性も容易に想像がつく。
何れにしてもスケールの大きさと豊かさでは圧倒的に負けているような気がした。
これが北米大陸の実力と言えば実力なのかもしれない。