2020年新年あけましておめでとうございます。 ― 2020年01月01日 14:28
楽園の終焉Ⅱ2011-13 ― 2020年01月02日 09:04
あまりイカシテいないリールが、ギリギリというスプールクリック音が耳元から響き脳を刺激する。
機械クリック音なのにその刺激は、条件反射のように脳内を思い切り刺激するのであった。
まるでパブロフの犬。
更にその脳内では、その強力な尾柄部を最速で動かして海中を突っ切ろうとしているヤツの姿が想像できる。
これがあのPENN社のSPIN FISHER SSならば、かなり小気味のいい金属クリック音なのであるが、残念ながらこのリールは、その上品な音とは少し遠かった。
なぜか最近のこの手のリールのドラグ音はイカシテいないと思うのは私だけであろうか?
TRAVEL-73BG:当時画期的な3pcsのトラベルロッドを製作する。
絞り切るが折れる気がしなかった。
それからずっと後になって国内でマルチピースの竿を多く見るようになった。
ロウニンアジのエンジンの回転は一気にトップギア。
ロウニンアジの無酸素運動エネルギーは全開。
ふとアスリートに例えると、一体…どのようにカテゴリーされるのだろうか。
400m走者なのか800mなのか。
いずれにしてもそんなイメージを勝手にしてみるが、恐らく経験者の多数は私と同意見なのではなかろうか。
「ドラグもっと締めて…。」
とバチョが言う。
“えっ…もう7.5kg以上は掛っていますが…。”
と思いつつやっぱりドラグノブを大きく締め込む。
相手にとって不足はない。
一騎打ち好きにはたまらない。
ロッドはトラベルBG-73GLなのだが、テスト時では15kg負荷まで絞り切っても折れないのを確認しているので性能的には特に問題はないのだが。
どちらかと言えば問題なのは、こちら側のおっさんの体力が一番の問題である。
また、このリール正直信頼性は全くなかったのであるがスペック上はドラグ30kgまでなんて記載されているので検証も兼ねて使っている。
ドラグテンションは、恐らく10kg以上を既に超えていると思うが更にスプールは逆転をして糸は出て行く。
キャプテンバチョは上手く魚の方向と潮の流れを計算しながらボートを廻してくれている様子で少し安心しようとしたが・・・・・・・。
「あのぅ・・・浅いから気を付けて・・・。」
“えっ・・もう相当締めているのだが・・・・”
そこは8本撚りの強力PEラインのなせる技。
わずか6号程度の太さで36kgも直強度があるのである。
躊躇する余裕はないのであっさりと増し締めをした。
ドラグは更に2~3kgは上がったと思われた。
キャプテンは、上手くボートを操船しながらGTの方向をうかがいつつも水深のより深い方向にゆっくりと操船する。
流れと魚の引きとボートの操船によってチリチリとドラグクリック音をだしながら糸は少しずつ出ては行くが、ドラグを締め込んだ事もあるのだが、魚の最初の突っ込みを交わし切れたようだった。
何度かポインピングでゆっくりとロッドを起こしてゆくと少しずつリールインできるようになってきた。
ラインの角度はだんだんと鋭角の方向に進むようになり、浪人者は船の下に来るようになりつつあった。
この魚は、初日の1本目よりも終盤戦がかなり早かった。
いやそれが通常の浪人様とのファイトパターンと思うのだが。
(そうそう40分も掛っては堪らないが)
5分が過ぎた頃になると、魚はボート下に来るようになった。
そして時々クンクンと首を振る感触と共に、曲がった竿がさらにお辞儀をする。
GTの特徴は、別名ヒラアジなどという一種独特の体高をした体型のアジなのである。
激流の中、下に突っ込むロウニアジ。
ハンドランディングの瞬間。
ST-66#4/0フックががっちりと顎に掛かっている。
下から突き上げるように出てきたGTがはっきりと偏光越しには見えた。
その特徴が、ロッドに伝わるパワーに大きく貢献しているように感じる。
何せあの体が横になって水流の抵抗を受けながら上がってくるのだから。
魚の運動量も限界であるが、私も既に無酸素運動は限界。
ゆっくりと息を吐きながらリフトしては、糸を少しずつ回収してリーリング。
間合いを詰めて行く。
そこに相手への隙は与えない。
水鏡の中に光。
太陽からの日差しは強く。
長いグアニン色に輝く。
楽園の終焉Ⅱ2011-14 ― 2020年01月18日 12:23
わざわざ東京まで出なくても良くなったのもあるかもしれませんね。
602-UM100-0pにナイロン3Lbに40㎝を超えるとなかなか面白いです。
カマスは入れ食いでした。
地獄からの救いにも感じるほどに観えるが、
魚にとっては逆に地獄への引導となるのであろうか。
バチョがグローブをする。
馴れないクルーがどうしていいのか解らないので立ち往生する。
彼の気持ちは解るがこれは仕方がない。
馴れない事での不安は、プロとしてはとても情けないのである。
しかし、ここは既に戦場でそうも言っていられないのである。
上手くバチョがリーダーラインを持って操作しながら魚を誘導させる。
まったく手慣れた様子。
クルーがモタモタとしかし気持ちは頑張っている様子。
バチョがバリ語で彼になにやら指示する。
一度船縁に上げてから、静かに船内に魚を下ろす。
「長いなあ。」
バチョがアジ全長のコメントを言う。
意外とその腹鰭がしっかりとしている事は、釣り人でも関心のある人は少ない。
大きさだけがすべてのGT写真が流行したかつての雑誌は、同じアングルか魚眼撮影でしか語られなかったし、掲載されなかった。
釣り人でありながら、魚自体には関心のない人が多いのには少し残念な気持ちにもなる。
GTというのは個体差が割合著しい方なのか、このロウニンアジはいやに長かった。
これまた30㎏を優に超えていた。
長さと比例していれば35以上は軽くあったに違いない。
それでも、30㎏オーバー2連発はとても贅沢な話かもしれない。
32㎏と30㎏強の2本は決して悪い釣果ではないと思われた。
腹側からの撮影は殆どないが、案外これまたしっかりした顎周りなのも知られていない気がする。ロウニンアジは昭和の頃から大きさばかりが持てはやされる傾向にあり、その後他の情報は、あまり必要とする人はいない。
時計を見るとまだ午前11時を少し回ったところであった。
※カットしました。
横長のGT=砲弾型のGT
同じロウニンアジでも個体差もその環境によってその体形が変わってくるように感じる。
「お昼にしますか・・・・・。」
バチョが当たり前のようにお昼宣言をしたので、空かさず私はこう告げた。
「いや、折角やっとアジの活性が上がってきたので、ここはご飯など食べている時ではないでしょう。」
「今が時合ならば、続けて勝負するべきでしょう。」
そうバチョに告げた。
すぐに納得してくれたのか、そう思っていたのかキャプテンは、舳先を潮上に向けて引き続き臨戦態勢に入ってくれた。
(そうこなくては。)
3人配置に着くと再びボートは流れに乗った。
期待と緊張感が一気に浮上して、皆の気持ちも幾分引き締まったかのように思えた。
このような遠征での釣りは、そうでなくてはいけない。
この緊張感とスリルは、他のスポーツではなかなか味わえない一種独特のものに近いであろう。
それは、相手が自然の中で野生に生きる生物、とりわけ普段我々が住むことができない水の中で生きる魚類なのだから。
人の狩猟本能に火を付ける。
己の鍛え抜かれていない肉体は、息がかなり上がっていたが、少しずつ整えつつもまたロッドを振りかざしにかかった。
そう休んではいられない。
皆の意見は、満場一致。
ボートのエンジン音に加えて浪間と潮騒にかき消されてキャプテン、前衛の声があまり聞こえない。
その合間に、途切れ途切れ前衛より声が上がる。
直ぐにキャビンが慌ただしくなるので、私は急いでラインを回収する。
2011年時のSTRIKE PROのマグナムミノ―。
その噂は、その後一気に広まった。
今やどこでも手に入るようになってしまったが台湾が誇る?
秀才?プラミノ―は、GTでも破壊されない。
しかしその後、かなり後になって、度々破壊される事がSNSで上がるようになった。
テイルフック側にかかり捻られると破壊されるようである。
かかりどころによっては、破壊につながる可能性もあると言う事みたいである。
ワイヤー貫通構造ではない。
前方の方へ向かうとT氏はしっかりと竿を曲げていた。
TRGF インショア(近海)、オフショアシリーズ(遠洋)(船) ― 2020年01月30日 17:01
月竿 軽戦 船竿 新型TRGF
TRGF UM+S-MOON Original Composite
MOON Light class boat rod
このシリーズは、2007年師匠によるアナログ設計のもと、「ショートロッドで手返し抜群の竿開発」の名の元に実現されたS-UMコンポジットシリーズでした。
当初カワハギライト、レギュラーと言うところから派生した調子と、ハイパワー&ハイトルクで大型狙いヘビークラスHHまでのジグ&ベイトモデルとして誕生、展開してきたシリーズです。
そのリリースの2007年当時は、異質と言えば異質でしたが、師匠は竹竿時代からの江戸前の釣に熟知した方でしたので、攻撃型、トーナメント型ばかりがもてはやされた時代への、警鐘でもあったように思えます。本来の釣の楽しみとはなんなのか。それを考えさせられたものでした。
2008年当時のTRGF180R(レギュラー)
既にジグアクション化され、ストライパーのジギングで使われた。
我が国では、当時何故かオフショアとボート(船)という何とも不思議なカテゴリーに分かれていたようです。
この流れは、多くの総合釣具メーカーに於いては、現在でも使われている表記と思われます。これが、英語圏にそのまま訳されると変な事になります。それは、釣り言う趣味が昭和時代の大まかなジャンルから、平成の細分化に細分化していった時代でもありました。
恐らく、古くからある船釣りと言う日本伝統の釣方や餌釣りと、西洋文化と共に輸入されてきたルアーフィッシグとの混同を避ける為、釣業界苦肉の策であったのではないかと想像されます。
更にテスターと呼ばれる人々の急速な増加と過熱、競争によってそれは一層拍車をかける事になりました。また、日本の釣がまだインターナショナルでの認知度が、現在(2020)とは比較にならないほど緩やかな時代でもありました。そうして2020年を過ぎてみると、日本で伝統的かつ地域性の強かった餌木やインチク、タイラバ、テンヤなどと言う釣り方が習合されてきて、その境界線がぼやけてきました。習合文化を得意とする我が国らしいことと言えば、そうなのかもしれません。また、それらは、アジアを中心に世界にばら撒かれていった日本の釣でした。
それは、無理に線引き細分化した時代から、良いものは良いとして形を変えて残り融合してきた結果なのかもしれません。またその裏では、我が国の釣り人口の激減による商業場の統合化の一つであることも否めないことかも知れません。細分化量産の流れもここへ来てかなりその形態も変わるようになりました。
2012年当時のTRGF-UM180R
8:2先調子から繰り出すアタリの出し易さから底物のライト泳がせで使わるようになった。
更にそれと対局をなす、カスタムロッド、仕立てと言う選択枝がそれ以前よりも出てきて、認知され始めたこともあるかもしれません。
TRGF-UM66H JIG&BAIT ジグ&ベイト仕様 コマセカツオ対応
脇挟みしながら、コマセを振り易くするためにリアグリップがかなり長い設定になっているが同時にジグ操作を容易にさせる。
月竿は、完全オーダーメイドのフルカスタムと言う手法、形態をとってきましたので、その流れとはそもそも違います。そこは、今も流されていません。ある面本来のブランクを生かす方法とは何かを追求してきた結果であると思います。
TRGFと言う機種のブランクは、近年形を替え素材を見直して新型機種として再び新生することができました。
新型TRGF-UM60とTRGF-UM66Hの2機種展開をベースに展開しています。
あなたのボート、インショア、オフショアゲーム展開の幅を大きくすることでしょう。
CW/JW=キャスティング.又はジグウエイト最大DM=設計上最大ドラグ値
DS=設計上実用ドラグ/又は参考値 TIP=先径㎜BUTT=元径㎜WT=ブランク重量
S-Blend=特殊Sグラス配合UM/S=特殊UMグラス+特殊Sグラス※素材価格本体税別
TRGF-UM66H ジギングでの一枚
魚が掛かるとそのテンションに応じて曲がり、リカバリ-がポンピングを補助します。
TRGF66-UMH 6’6”(チューブラですソリッドグラスではありません)
調子:8:2ですが、魚がかかると胴に入ってきます。
対象:底物(ハタ類)、ブリ、カンパチ
10㎏~クラス対応。
マルチパーパス
Sグラス/UMコンポジット 純日本製
錘:~120号(泳がせ)スロージグ:MAX350gジギング:MAX200gインチク:MAX300g
スタンダードな、富士TCSとLCガイドによるシングルラップでの仕様
TRGF-UM6’0” (チューブラですソリッドグラスではありません)
オリジナルよりも若干パワーアップしております。
調子:8:2ですが、魚がかかると胴に入ってきます。
対象:底物(ハタ類)、ワラサクラス対応。
マルチパーパス Sグラス/UMコンポジット 純日本製
錘:~60号(泳がせ)スロージグ:MAX250gジギング:MAX150gインチク:MAX200g
今後は、かつての展開である60Lから66HHまで展開していきたいと思います。
復活を遂げたTRGFは、あなたのインショア、オフショアゲームを長きに渡ってサポートし続ける事でしょう。
ブランク及び完成のお問い合わせは、旧ホームページのアクセスが出来ませんので下記までお願い致します。
メール:moon.fishers@master.email.ne.jp
または、お電話(0470-77-1680)でお願い致します。
2021年6月22日