わだつみのかけら-22018年08月07日 17:13

その2

安芸の守(文:長門の住人/職人加筆

足摺沖朝日


土佐沖へいざ出陣

平成2264日午前250分、けたたましいアラームに目を覚まし同室で寝ている“釣り竿職人”平野氏の反応を窺うと彼も目覚めているみたいで、おもむろに起き上がり身支度を始めた。
一足先に土佐入りした平野氏だけれど海況が悪くこの日が5日ぶりの釣りとなる。

階下に降りるとこの家の主でありお世話になる天光丸のキャプテンでもあるN氏も起きてきて目ざめのコーヒーを飲んでいた。

「おはようございます!今日はよろしくお願いします!」と挨拶をして、我々もコーヒーをいただき、目を覚ました。


 しかし、職人(私)だけは相も変わらず少々冴えない顔で座り込む
おまけに少々ストレスも加算されている様子でプレッシャーにも少々弱いのかも・・・・・・しれない。


キャプテンに今日も海況がよくないのか尋ねると、風は無いようなので釣行予定の最終になる我々のためにとりあえずは出船しようと言い、それから港に向かった。

港に着きタックルを天光丸に積み込み、漁協にて釣った魚を冷やすための氷を買うなどの準備を済ませて、港を出たのは4時前だった。

ガラガラと氷を砕く音、と落ちる音で辺りがいっぱいになったと思うとそれも刹那の響。


 この漁協は昔から(何年前からかは解らないが)自動販売機になっていて皆そこで氷を買う。
しかし、15kg単位である。


岸壁を離れるとともに私はキャビン下にある2畳くらいの部屋へ降り、きたるべきファイトのために“鋭気を養う?”つもりで仮眠をとった。
しかし、釣り師の性かこれから釣れるやもしれないまだ見ぬ大物のことを考えるとなかなか眠ることができず、しばらくすると夜が白けだし部屋の小窓から太平洋に上る朝日が見えてきた。


 てっきりお休みかと思いましたがそうでしたか。


「そうだ、日の出は“縁起物”だから写真を撮ろう!」と起き上がり、カメラを用意して外に出ると、もうすでに太陽は水平線上に出ていた。

朝日と舳先



再びキャビン下にもぐりこむことなくしばらく景色を眺めていると右前方に足摺岬灯台が見え出し、これも一応写真を撮っておくことにした。
前回来た時は足摺を過ぎてしばらくのところまだかすかに岬が見える辺りで餌となるメジカ(マルソウダ)を釣ったので、今回もそろそろ餌釣りの準備に入るのかなと心構えをしていた。しかし、その気配は無く船は速度を落とさずポイントへと向かって進んだ。

しばらく経っても一向に餌釣りを始める気配が無く、釣りが始まると餌のメジカを生け簀に運ぶのに忙しくなると身構えていたのがなかなか始まらないので、身構えた気持ちの押さえどころが無く手持無沙汰になり、キャプテンの許しも無くかってにリールのラインの巻き締めを始めた。前夜のこと、予備にと用意していたMOON 701FTS30LbロッドとNEWEL545を仮にSETしていた時にロッドの製作者である平野氏が

「このタックルで釣ってみたら面白いかも?キハダなら充分に対応できるはず!」と言い、私もおもしろそうだと思った。

しかし、あくまで予備のつもりだったのでラインを巻き締めていなくてそのままでは使い物にならなかった。そこへ会話を聞いていたキャプテンが

「明日、ポイントへの移動中に巻き締めれば良い!」と言った。

その話があったので退屈しのぎにラインの巻き締めを始めたが500mちかくでたラインはそれ自体がかなりの抵抗になり巡航中ではなかなか巻きとれるモノでは無かった。結局キャプテンが船の速度を落としてくれて、10分近くかけてようやく巻きとることができた。


ラインのプレッシャーは相当なものでこれにナイロンの伸びが加われば、魚には相当負担になる事は明白であった。
これを魚が引っ張るだけでも相当な力を要するであろう。

足摺岬を望む

これは、考えれば重大なマナー違反だったがキャプテンは立腹することも無くおおらかに協力(許して)してくれた。大変ありがたいことだった。

足摺をすぎてから1時間ほど経ってメジカの良い群れを見つけたのか、それとも元からこのポイントで餌を釣るつもりだったのか、船は速度を落としゆっくりと左旋回させながら、キャビンからキャプテンが出てきておもむろに仕掛けを流し始めた。

2mほどの竿に小型の潜航板と疑似針が付いただけのシンプルな仕掛けだけど、潜航板の微妙な動きの違いによって喰いが違うのかキャプテンはその動きを確かめていた。

ソウダ釣り


※メジカ(マルソウダ)を釣っている

ほどなくすると仕掛けにメジカが掛かりだし、我々2人はそれを殺さぬように急いでバケツでカンコと呼ばれる生け簀へと運んだ。小さいとは言えカツオ類直進癖があるらしく上手く生け簀に入れてやらないと生け簀の壁に当たっていとも簡単に死んでしまうから、運んだ数が餌の数となるのでは無かった。

これが案外大変で、息切れしながらバケツリレーの繰り返し。
揺れる船上は戦場になる。
それにしても今回のメジカはでかい。
ヒラソウダも多く混じる。

小一時間ほど経って、メジカを釣りながら時折生け簀を確認していたキャプテンがおおよそ必要数の餌を確保できたとみて「もういいだろう!」と言い、仕掛けを回収するとともに再びポイントへと船を進め出した。

しかし職人はしばらく小刻みに息を切らして、まったく情けのない状態と自分で思ってはいるが後の先生方はさほど気にも留めていないようである。


その3へつづく

わだつみのかけら-32018年08月15日 08:02

その3

いざ、ポイントへ

航行中


 1時間ほどたってようやく目的ポイントに着くと、当初予想していたのとは違い、数日前からばったりと喰いが悪くなっていたためか魚影を感じさせるモノが無く、土佐入りをした時に平野氏から

「来るのが遅かったです。釣況はかなり厳しく、全く何も釣れないかもしれません」と言われたことが頭をよぎった。

その時はキハダが釣れなくても瀬戸内海では見ることができないキハダやカジキをせめて見ることができればそれだけでも好いと思っていたが、それさえも見ることができないかもしれない現実がそこにあった。

キャビンではキャプテンと平野氏が

「少し釣ってみて釣れなかったら近くに帰ってなにか他のモノを釣ることにしよう?」と話し、とりあえずはここまで来たのだから仕掛けを流して釣ってみることにした。

釣り始める時に予定通りメインの661TUNAP KVGを使うか701FTS30Lbを使うか迷ったのだが、661TUNAPは前回釣って実力を発揮していたから、せっかく巻き締めを行ったのだし、普段ハマチ(ワラサ)釣りに使っている701FTS30がキハダ相手にどれだけのパフォーマンスを発揮するか試してみたい気持ちから701FTS30を使ってみることにした。

 

竿とリール 


※右端が701FTS-30NEWELL、隣が661TUNAP KVGSEALINELD20

メジカを針に掛け仕掛けを流しアタリを待つが一向にそれらしい反応は無い!「やはりキハダはいないのか?」はるばるここまで来たけど諦めて帰るしかないのかと思い始めていたころ、“バシャッ”とメジクラスが跳ねた。それは、手持ちの餌では釣れる望みがないほど小さいけれどまだキハダがいることがわかり一縷の望みが出てきた。

すると、潮が変わったのか所々で小振りのキハダがライズはじめ、大小は別として思っていたよりキハダがいることがわかりさらに望みが膨らんできた。

そのうち餌釣りと並行してジギングしていたキャプテンにキメジが釣れ、なんとか船全体のボウズは免れた。

けれど、肝心の餌釣りにはアタリが全く無い。

それでも時折ライズするキハダを見て、「これだけいるのだからいつかはバイトするだろう?」と、キャプテンの真似をしてメジカを150mくらい泳がせてはラインを数十m手繰り寄せながらライブベイトであるメジカにリアクションバイトをさせては再び150mくらいまで泳がせていた。それを数回行っているうち突然手繰り寄せるラインに“コツッ!”とアタリがあり同時にメジカの泳ぐ力では無いちょっと強いテンションが掛かった。

言うには簡単そうには思えるがこれが結構難しいのである。
スレスレの魚が相手では尚更で、咥えてもなかなか警戒して飲み込まないのである。

これには、参った。

「来た!」そう言うと、すかさず手を離しフリーでラインを送りこんだ。

102030mとラインが出ていきそろそろ充分に銜えこんだだろうと、スプールをロックしフッキングのために大きくロッドをあおった、と、同時にロッドが大きくしなりヒットを実感した。

あわてて、しかし慎重に素早くリールを巻き上げると20mも巻かないうちに急にテンションが軽くなり、獲物がこちらに向かってきているから軽くなったのかとさらにすばやく巻き上げる、けれど一向にテンションが掛からない・・・バレてしまったのだ・・

仕掛けを回収してみると胸鰭から後方に噛まれた痕がのこるメジカが上がってきた。痕から察するに十分に銜えこませることができずアワセが早すぎてまだ針まで口の中に入っていなかったようだった。

齧られたソウダ


キハダに噛まれたメジカ(マルソウダ)

もしかしたら最初で最後のアタリだったかもしれないチャンスをモノにできなくて落胆したが、落ち込んでいるわけにはいかずすぐに次の餌を付けて仕掛けを流した。しかし、しばらく経っても一向にアタリは無く、先ほどの“早アワセ”による失敗がじわじわと後悔として沁みだしていた。

それは職人()の〝もうそろそろ”という無責任な発言があったのかもしれない。

1時間ほど経って無線からキャプテンを呼ぶ声がして、応答するキャプテンから「誰かの仕掛けがあの船(無線の主)に絡んだらしい、確かめてみろ!」との指示があり確かめてみると、絡んでいたのは私の仕掛けだった。幸いその船はキャプテンの仲間らしく仕掛けを切ること無く丁寧に外してくれたのではあるがとんでもないミスをしてしまい、先ほどの“早アワセ”に続いての失敗に少し落ち込んでしまった。

だが、これが“今釣行唯一の獲物?”かもしれないとちゃっかり写真だけは撮った。

超大物


 それは間違いなかった。
それを上回る為には、鯨を釣るしかない・・・・・。


この日一番の大物? デカ過ぎです。

その4へつづく


わだつみのかけら-42018年08月24日 16:52

その4

起死回生
同じチャンスは二度とない

土佐清水

決してひっそりではない佇まいではあったが、この日は我々以外のお客さんは殆ど居なかった。とてもさみしかった。

それからまた1時間ほど経ったころ、だんだん慣れてきたラインの手繰り寄せを行っているとまたしてもラインに“コツッ!”とアタリがあると同時にメジカの泳ぐ力では無いちょっと強いテンションが掛かり、とっさに「来た!」と言ってラインを離すとスルスルスルーと手繰り寄せていた20mくらいのラインが出ていき、それが無くなるとスプールから引き出されていくのだが、バックラッシュをしないようにかつラインによけいなテンションをかけないようにと、1020、30mと送りこんでやった。

初めの時には30m送りこんでも不十分だったので、こんどは失敗しないように呑み込ますつもりでさらにラインを送りこみ計70mくらいでクラッチを入れてロッドを大きくあおった。

と、同時にロッドが大きくしなり、魚のノリを確かめて「掛かりました!」と言って慎重に素早くリールを巻き上げ出した。魚も突然わけのわからないところから引っ張られることに我を忘れているのか、102030mと重みはあるが抵抗無く寄ってくる。

「あまり大きくは無いかも?」と余裕をかましていると、魚も我にかえったのかいきなり走り出した。それからはロッドとドラグで耐えては少し巻き上げ、また走られての一進一退を繰り返しながら徐々に徐々に引き寄せてフックアップから20分がかりでようやく20kg弱のキハダを取り込むことができた。

やっとキハダ

ほっ・・とする間もなく撮影する。

中野船長とキハダ


キハダを〆ている中野キャプテン


わだつみのほほえみ

一時は“完全ボウズ”も覚悟し“早上がり”も考えていたのが20kgクラスを1尾釣りあげたことで皆テンションが高くなり真剣に仕掛けを流していた。が、それもしばらくアタリがこないとともにテンションは下がり、ただ黙々と仕掛けの手繰り寄せ&リリースを繰り返すようになっていた。

「腹減ったなぁ~・・いま何時くらいだろうか?そう言えばまだパンが残っていたな。それを食べようかなぁ、でも仕掛けをあげたらせっかくのメジカが死ぬからもったいないなぁ、この餌が死ぬまで釣ってそれからパンを食おう・・」と思いながら、いつもなら横へ走るメジカが下へ下へと突っ込んでいくのを不思議に思いつつも仕掛けを流し、ある程度ラインが出るとお決まりのように手繰り寄せようとすると、“ツンツン”とラインを小突くような反応が。

 その頃、すっかり戦意喪失の職人は、コックピットからCapと下らない会話をしていた。
異変にはまだ気が付いていなかったのである。

その5へつづく

わだつみのかけら-52018年08月25日 14:50

その5
はて今年も台風が多い。
20号通過後も房総は大荒れ。
南の風も強く、気温も上昇。
いったいいつまでこの暑さも続くのであろうか。

刹那の野生

野生の眼


その眼に映るものは何か

「あっ!アタリか?」とラインをリリースするがアタリとわかるような明確な引きは無く、メジカがひょろひょろと泳ぐようにスルスルっと少しラインが出ては止まり、また出ては止まる、の繰り返ししか無い。

「しまったぁ、離したか?」と先ほどの“ツンツン”をキハダのアタリとみてその時の違和感でメジカを離したものと、少し落胆した。それでも念のためにラインが出るままにリリースしていて、アタリから100m以上ラインが出たところで、見切りをつけるために大きくロッドをあわせてみた。

すると下を向いていたラインが船尾のほうに張りだし、同時に遥か後方で魚が大きく跳ねた!

ロッドにはHITを実感させる十分な重みが掛かり、フックアップを確認すると

「何かわかりませんが釣れました!」と言葉にした。それと同じくして無線で「ナイラゲがなんとかかんとか・・!(よく聞き取れなかったがカジキが喰いついたと言うようなことを言っていたらしい)」と報せが入った。

 改心のヒット‼

その時は確かに何がHITしたのかわからず、跳ねた魚がカジキだとも知らないままリールを巻いていると、目の前数十mのところを、背鰭を出して魚が横切った。

「サメだぁぁ・・サメを掛けたみたい?」とその背鰭を見て平野氏が言うと

「サメ?厄介なモノを掛けたねぇ~切ろうか?」と少し落胆して私が言い、「まぁまぁ、まだはっきりしてないので上げましょう!」と平野氏が言った。

釣りには、いや釣りに限った事ではないのだが、確認、確信できるまで判断を早まってはいけないという見本であった。
 このパターンでいつかも鮫にやられて来たので、そうすぐに思ってはしまったものの、その時ラインを切っていれば後は無い。
 最後まで気を抜くなと言うところである。

HITしたのが何かわからないけど、掛けたからにはできる限り、上げなければと、ファイトしていると、

キャプテンが

「さっきのは、カジキらしいぞ!お前が釣っていると無線で言いよった!」と言い、ラインの先を眺めていた平野氏も

「カジキだ!キャプテン、カジキが掛かっている!あの背鰭はカジキの背鰭だった!」と言う。

その言葉を聞いて俄然やる気が出てきたのはいいけれど、いままでに何人もの釣り人がカジキを掛けてはその走りこむ引きにドラグを焼かれラインブレイクされているので、私も同じ運命になるのではないかと心配になってきた。

HITしたのがカジキとわかりキャプテンも平野氏もなんとか私にキャッチさせてやろうとフォローに入り、私はリーリング、平野氏はカジキの走りをキャプテンに教え、キャプテンは操船でフォローしてくれた。

それでキハダよりは抵抗はあったけれど、想像よりは易くあと50mくらいまで寄せることができた。が、それからカジキが本領を発揮し、数十mラインを引きだしては数m回収する“イタチゴッコ”のようなやりとりが続き、次第にカジキも疲れてきたが私も疲れてハーネスをしてはいるものの慣れないから腕がパンパンになっていた。それでも徐々に巻き上げが勝ってきて水面下にカジキが見えるところまで引き寄せることができると、

「ストライプドマーリン、マカジキだぁ!」平野氏がその魚体を見てキャプテンに言う。

確かにその時はそう思えたし、誰もその発言を否定するものは無かった。

水面下に魚体を横にして必死に抵抗するその姿に紫に光る奇麗な横縞模様が見えている。この模様からその英名が付いているらしい。

魚体が見えてもそれ以上なかなか上がってこない状態が続き、さらにロッドのテンションはそのままなのにジワリジワリとラインが滑り出してきた。

「おかしい?これぐらいの引きではラインが出ることは無いはず!少し締めてみるか?」とドラグノブに手をやると火傷をしそうに熱くなっている。

やっぱりカジキは凄い!ドラグが摩擦で熱を出しているようだ。これ以上走られるとドラグが全く効かなくなり取り込みもできなくなる怖れもある。そうならないように早く取り込むために小刻みにポンピングしてはラインを巻きとるけど、なかなか思うように上がってこない。

「抵抗はなかなかですね!いままでのように取り込めないかも?」と少し弱気に言うとキャプテンが

「コンマイ!(小さい)から大丈夫!」と言い、私にしてはいままでで最大の魚だけどこれまでブレイクしたカジキからするとそれはかなり小さいらしかった。

そのうち、カジキも疲れてきたのか一気に数十mも走りだす力もなく、一進一退を繰り返しながらHITから20数分後にようやく船縁にその姿を現した。

それでもなお抵抗する魚体にタイミングをはかってキャプテンが用意した銛で仕留め、ギャフを掛けて3人がかりで船に取り込んだ。

その瞬間初めてのカジキに思わず「やったぁぁっ!」と叫び、フォローしてくれたキャプテン、それから平野氏と握手を交わした。

その6へつづく

わだつみのかけら-62018年08月27日 15:57

その6
 近年テレビを視聴する度合いは、益々減ってきて、その役割も少しずつ減って来たような気もする。
お茶の間のチャンネル争いももはや昭和の産物であって、現代の家庭でそれをまだ行っている家庭も多くはないと思う。
ここで皆無としたいところだが、今のところ断言はできないでいる。
 そんなテレビの気象情報を見ていると、異常気象とか例外とかは使われる事が年々無くなるのではないか、と言うのを見て、こんな異常が日常では、とてもこの先平穏では生きて居られない気がすると思わざるを得なかった。
 その時は、「もう生きていない。」と言うが、その先の人の事を考えるのが成熟した真の先進国であると思うのは私だけなのだろうか? 
そうでない我が国であって欲しいと思う。

 釣り業界なる摩訶不思議なところへ魔界入りしてもう既に四半世紀になろうとしている、
 その中にあっても、良心に従い、異常を異常と言える、間違いを間違いと言える人間になりたいと何度も何度も思った。
 なのだが・・・・それでは永遠に大きくは成れない・・・と言われたあの日。
飼い犬が手を噛む、その日。
当たり前だが、人間は、犬ではない。
そして、犬も限界がくれば噛んでしまうのではないだろか。
残暑。

さてつづきその6です。


旧富士シート
平成30年ともなると、その面影すら知らない世代にもなったが、昭和の富士製品、富士山のスタンプがその誇り高かった日本の意地とプライドを感じる。これからと言う未来があったような気がする。

-掌握-

君は未来まで掌握できるのか。

カジキを釣る


小さいけど人生初のカジキ

予期せぬマカジキのHITで少しダレ気味になっていた気持ちが引き締まり、キハダのほかカジキまで視野に入れて淡々と仕掛けを流したが、それまでの渋い喰いが改善することは無く、約1時間後にキャプテンに20kgクラスがHITし、20分近くの格闘の末あとちょっとで取り込めるところまで引き寄せたけれど、最後の抵抗で痛恨の口切れをしてしまった。

中野船長とキハダ


キハダと格闘中のキャプテン、この後痛恨のバラシが・・

そのご4時間キャプテンに2度、平野氏に1度、私に1度アタリらしい反応はあったけれど何も釣れずに5時半に納竿し、港に帰港したのが夜9時前だった。

カジキとNEWELL


今回は思わぬ活躍をしたMOON

701-FTS30NEWEL 545 PURPLE 

今回は前回のような釣果には恵まれなかったけれど、朝4時の出港から帰港までのおよそ17時間も船を出してくれたNキャプテン、そしてこの釣行をセットしてくれた平野氏に、最後になりましたが、心から「有難う!」と感謝の意を示して終わりにします。

海中に旋回するストライプ模様にマカジキかと思って確信めいた事を発言したが、その後 どうしても疑問は残り、ブルー=クロカジキと解った。
100Lb
の小型もあってかてっきりの間違いである。
 今観るとブルーの小型とわかりますね。
その後の疑問も多少残ったままではあるが。


戦い後


今回のとりであった。

その2

銛を打った直後の撮影、まだその眼が生きている。

 平成22624

 安芸の住人

カジキと杜


この尾柄部も見事なフォークテイルで、その疾走っぷりを物語る。

友とカジキ


友人と一番楽しかった日。
楽しい事は短く、辛い事は長い。
小さいとは言うけれど、キャステング30Lb classでコンプリート。
(IGFA
トローリングクラスロッドではない。)

ラインクラス設定のこのFTSと言う竿で上げたのは素晴らしい。
その日が再び訪れるのであろうか。


FTS
シリーズは、亡き師匠の名設計のブランクである。
当時も今も私の知る限りでは、IGFAラインクラス別のこの手のラインナップを見た事がない。
月竿を支えた主力シリーズと言っても過言ではない。
いや今でも主力である。

その7へとつづく