わだつみのかけら-52018年08月25日 14:50

その5
はて今年も台風が多い。
20号通過後も房総は大荒れ。
南の風も強く、気温も上昇。
いったいいつまでこの暑さも続くのであろうか。

刹那の野生

野生の眼


その眼に映るものは何か

「あっ!アタリか?」とラインをリリースするがアタリとわかるような明確な引きは無く、メジカがひょろひょろと泳ぐようにスルスルっと少しラインが出ては止まり、また出ては止まる、の繰り返ししか無い。

「しまったぁ、離したか?」と先ほどの“ツンツン”をキハダのアタリとみてその時の違和感でメジカを離したものと、少し落胆した。それでも念のためにラインが出るままにリリースしていて、アタリから100m以上ラインが出たところで、見切りをつけるために大きくロッドをあわせてみた。

すると下を向いていたラインが船尾のほうに張りだし、同時に遥か後方で魚が大きく跳ねた!

ロッドにはHITを実感させる十分な重みが掛かり、フックアップを確認すると

「何かわかりませんが釣れました!」と言葉にした。それと同じくして無線で「ナイラゲがなんとかかんとか・・!(よく聞き取れなかったがカジキが喰いついたと言うようなことを言っていたらしい)」と報せが入った。

 改心のヒット‼

その時は確かに何がHITしたのかわからず、跳ねた魚がカジキだとも知らないままリールを巻いていると、目の前数十mのところを、背鰭を出して魚が横切った。

「サメだぁぁ・・サメを掛けたみたい?」とその背鰭を見て平野氏が言うと

「サメ?厄介なモノを掛けたねぇ~切ろうか?」と少し落胆して私が言い、「まぁまぁ、まだはっきりしてないので上げましょう!」と平野氏が言った。

釣りには、いや釣りに限った事ではないのだが、確認、確信できるまで判断を早まってはいけないという見本であった。
 このパターンでいつかも鮫にやられて来たので、そうすぐに思ってはしまったものの、その時ラインを切っていれば後は無い。
 最後まで気を抜くなと言うところである。

HITしたのが何かわからないけど、掛けたからにはできる限り、上げなければと、ファイトしていると、

キャプテンが

「さっきのは、カジキらしいぞ!お前が釣っていると無線で言いよった!」と言い、ラインの先を眺めていた平野氏も

「カジキだ!キャプテン、カジキが掛かっている!あの背鰭はカジキの背鰭だった!」と言う。

その言葉を聞いて俄然やる気が出てきたのはいいけれど、いままでに何人もの釣り人がカジキを掛けてはその走りこむ引きにドラグを焼かれラインブレイクされているので、私も同じ運命になるのではないかと心配になってきた。

HITしたのがカジキとわかりキャプテンも平野氏もなんとか私にキャッチさせてやろうとフォローに入り、私はリーリング、平野氏はカジキの走りをキャプテンに教え、キャプテンは操船でフォローしてくれた。

それでキハダよりは抵抗はあったけれど、想像よりは易くあと50mくらいまで寄せることができた。が、それからカジキが本領を発揮し、数十mラインを引きだしては数m回収する“イタチゴッコ”のようなやりとりが続き、次第にカジキも疲れてきたが私も疲れてハーネスをしてはいるものの慣れないから腕がパンパンになっていた。それでも徐々に巻き上げが勝ってきて水面下にカジキが見えるところまで引き寄せることができると、

「ストライプドマーリン、マカジキだぁ!」平野氏がその魚体を見てキャプテンに言う。

確かにその時はそう思えたし、誰もその発言を否定するものは無かった。

水面下に魚体を横にして必死に抵抗するその姿に紫に光る奇麗な横縞模様が見えている。この模様からその英名が付いているらしい。

魚体が見えてもそれ以上なかなか上がってこない状態が続き、さらにロッドのテンションはそのままなのにジワリジワリとラインが滑り出してきた。

「おかしい?これぐらいの引きではラインが出ることは無いはず!少し締めてみるか?」とドラグノブに手をやると火傷をしそうに熱くなっている。

やっぱりカジキは凄い!ドラグが摩擦で熱を出しているようだ。これ以上走られるとドラグが全く効かなくなり取り込みもできなくなる怖れもある。そうならないように早く取り込むために小刻みにポンピングしてはラインを巻きとるけど、なかなか思うように上がってこない。

「抵抗はなかなかですね!いままでのように取り込めないかも?」と少し弱気に言うとキャプテンが

「コンマイ!(小さい)から大丈夫!」と言い、私にしてはいままでで最大の魚だけどこれまでブレイクしたカジキからするとそれはかなり小さいらしかった。

そのうち、カジキも疲れてきたのか一気に数十mも走りだす力もなく、一進一退を繰り返しながらHITから20数分後にようやく船縁にその姿を現した。

それでもなお抵抗する魚体にタイミングをはかってキャプテンが用意した銛で仕留め、ギャフを掛けて3人がかりで船に取り込んだ。

その瞬間初めてのカジキに思わず「やったぁぁっ!」と叫び、フォローしてくれたキャプテン、それから平野氏と握手を交わした。

その6へつづく

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