つきまろでんせつ うきまろのゆめ―10 ― 2020年12月02日 17:46
個人的には、ほんと今年は、ただただ自粛の年だったような気がします。
そんな中、昭和の夢が消えていきました。
気を持ち直して移動することにします。
夕マズメの時間が終わりに近づいて、日が暮れてゆくのでした。疑似餌にケミホタルという発光パイプを取り付けます。これがないと夜は全くルアーがどこを通過しているのかわかりません。このケミホタル搭載ジッターバグのお蔭で夜釣が画期的に面白くなりました。更にケミホルダーと言う専用パーツのお蔭でそれも更に良くなりました。それ以前は、直貼りタイプのものでした。これが、ほんとのホタルを誘います。とても不思議ですが、人工的光とホタルの放つ光と交互に目に入ってきます。20分程投げ続けましたが、どうも掛かりません。少し元々ない気合が更にだれてきました。
そろそろ彼らの活動時間なのですが。果してヤツは出てくれるのでしょうか。プッシュボタンを押すと“カチン”というピンが格納される金属音が何ともいえないです。それは、スピンキャストマニアなら誰もが経験することです。約18gのジッターバグは、いい感じで竿にウエイトが乗ってきます。前に弾きだす感じで投げると、良い感じで飛んでいきます。結構ライナーっぽいキャストもできてなかなかよい感じです。子供の頃をまた思い出してしまいそうになります。なぜかこのシェイプとデザインが物凄く好きでした。恐らく近未来的なところ?のデザインに惹かれていったのかもしれません。サンダーバードがめちゃかっこいいと思ったころですから。ここら辺が既に中高年親父の発想です。
ルアーが着水と同時にハンドルを回すと、パチンという金属音がしてオートマチックにピンが出てきて糸を拾います。回すと直ぐに巻き取れるようになる、半オートな仕組みのリールです。それは、現在のベイトキャスティングリールでは当たり前ですが、スピンキャストリールにも同じ使い方で直ぐに巻き取れるシステムになっています。(もちろん構造が違いますが)
また、この不朽の名作疑似餌は、素晴らしいアクションで、水面を叩いてきます。甘いポコポコという空気を噛んだサウンドがなんともいえません。結局のところこの特徴的なカップが無ければこの独特のアクションとサウンドは得られません。現代のルアーは、改良されてより釣り易くとても品質も良いですが、それでも元祖あってのことです。素晴らしい、の一言に尽きます。これは、裏切ることはありません。こんなルアーはそう多くないと思います。少し残念なところといえば、その生産国が大陸に移り、その作りの雑さを感じます。これだけはどうしようもありませんが、一体どのように生産されているのでしょうか。とても気になりますが、その工場内を見る事はできませんので解りません。まさかとはおもいますが、これまた辛い労働環境を強いられているのかもしれないと思うと、遊び道具に影が落ちてきそうです。そうでないことを祈るばかりです。大陸は、共産主義が基本なのに、経済は一部資本主義に近いところもありますのでそれが大きな矛盾といえば矛盾ですけれど。
さて、夕暮れが過ぎようとしています。既に太陽は、すっかり沈んでいます。目視でぎりぎり見えるか見えないかの時間帯です。ルアーはその背中に背負ったケミライトだけが頼みです。それもトワイライトでは、良くみえません。そんな表現を私の父は、夜明けのガス灯といいました。そのガス灯なるものは、私が既にもの心ついた時にはみたことがありませんので、何とも解りにくい表現でした。
本流の流れが岩や、僅かな落差で、水音をつくり、なんとも暑い夏には心地よいです。その音に交じってあのカチッという金属音だけが耳に残ります。これが、時々邪魔をしてくる、蚊や蚋が居なければもっといい感じの夕マズメです。
20分程キャストを繰り返してみますが、反応はありません。今日はもう駄目かな。とおもいつつ、日没ギリギリの中、月まろは、仕事をこなして行きます。いつも夜になるとおそらく付いているであろう、スポットへギリギリのキャストをします。
着水音が聞こえたあと、リールを巻きますが、比較的流れの弱るギリギリのラインを月まろの竿先で疑似餌を左右に動かしてみます。一体これが、カエルに思えるのか、この音がそのカエルに近いのか彼らに聞いてみないことには解りませんが、餌と認識できる音なのでしょう。
私には、自然界に発生する餌の音にはまったく聞こえませんし思えません。そもそもポコポコ音を立てて泳ぐカエルなど一度もみたことがありませんから・・・。強いて言えば、丘から水に飛び込む音は、ルアーの着水音に近いのかもしれませんがそれも、魚に聞いてみないとわからないし、聞いても答えてくれる筈もなく。
その捕食音は、パコーンという疑音としていつも例えられるのですが、それは、突如水飛沫を上げてヤツが襲いかかります。流れの音と、うきまろリールからでるカチカチという小さな巻き取り音の他に、思わず「のった!!」という私の声と、その豪快な捕食音とその水飛沫の弾ける音が何とも心臓を高鳴らせます。この釣りの一番面白いところでもあるでしょう。
竿がしっかりと胴に入ったところで合わせます。といいながらも、往々にして早合わせしてしまうことも多々あります。そんな時はもちろん針掛かりしません。また、一呼吸置いて竿に重みが乗ってから合わせたとしても掛かっていないことも多々あります。(針が掛かりさせるための動作が入ってきます。これを釣ではアワセといいますがそれも今更私が言うことでもなさそうです)はたまた、しっかりと重みが乗ったあと、ガツガツと竿を曲げてその暴れる魚を竿が捉えても、すぐに外れてしまうこともしばしば。それもこれも一切合切含めてこの釣りが面白いと感じるところではあります。それも相手が存在して成り立つことなので、彼らが住める環境がまだ残っているだけでも良いことだとしましょう。
野生の生き物は、環境が崩れると一気にその生息数を減らしていくことも多くあり、その先は絶滅へのカウントダウンでもあります。それだけ人間がつくる環境は、彼らにとって脅威となる場合も多く存在することを忘れてはならないと思ったりします。一方で我々は、この今の自然環境の前に成すすべもないことがあまりも多くあります。
一気に竿を絞り込む
しっかりと曲がり込み胴に乗ってくる感じは、好印象を与えるブランクである
ちゃんとガイド位置を設定すれば、それなりにいい竿?ではないかと思う。
しかしながら、それは経験者でないとても難しいこと(現実的ではないこと)になるかと思う。
竿に重みが乗ってくると、その先に魚が付いていることは明確になってきます。生命感のある首振りが更に小さな興奮を増幅させて行きます。それが釣りの面白さの一つでもあると思いますが、多くの子供達にもそれを感じて欲しいとおもいます。自然は、常に共にあるという感覚とは少し違う生命感を感じとることができるかもしれません。それは、更にその先の大切なものへと繋がるかもしれません。どうぞ子供達の中にそれが伝わることができるなら、それは大切な情的資源になるかもしれませんね。そこは経験のみで理屈ではない部分も大きいとはおもいます。うちの子が小さい頃理屈ではない楽しさと興奮を抱いていたことをおもいだします。次の日釣りに行くとなると全く寝られないほど興奮していた頃を思い出しました。生命感、躍動感のある野生の抵抗というのは、それを仕留めたいという本能が呼び覚まされたような気がします。
よい感じで竿を叩く感じが伝わる
その曲がりは素直で違和感がないように思える。但し、ガイドは変更が必要かと思う。活かすも殺すもという感じになるがそこは致し方ないところである。
首振りと抵抗を竿で吸収しながら、ついついいつもの感覚でリールを巻いてしまう自分がそこにいました。何回かハンドルを回して、はっと気がつきました。「これは、スピンキャストリールなのだ。」と・・・。ハンドルを回しても全く巻き取れる感じがしません・・。そうです。このリールの特徴の一つでもある、圧倒的な非力さです。それは、スピニングリールの感覚さえ、忘れさせられるほどの非力さでもあります。かといって、もともと高性能ドラグとは無縁のスムーズさは、締めすぎると糸切れに繋がってしまう、今流行の言葉で言うとフルロックという言葉なのでしょうが、なんともそこは危険なリールでもあります。それを補うようにABU社のマチックには、シンクロドラグと言うシステムを搭載しているものがあります。それはとても優秀であるとおもいました。
ベイトキャスティングリールの巻き取り感覚から、一気にスピンキャストリールの感覚に戻して対応します。それはそれで楽しいものです。それも釣りの楽しさの一つに加えることができたなら、更にあなたの釣も楽しいものになることでしょう。まさに大人の遊びといいたいところですが、慣れてくるとお子さんでも可能なことと思います。むしろ、ロッドワークは、リールが非力であれば竿を使わなくてはなりませんので、あなたの期待のお子さんも将来良い釣師になるかもしれませんね。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://tukinoturisi.asablo.jp/blog/2020/12/02/9322711/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。