儚き偶像の彼方-Ⅲ-52019年07月19日 16:19

7月も長梅雨で、台風5号も興りました。
本日19日午後から少し晴れ間が見えました。
夏が近い事を感じました。
夏と言えば、個人的にはイシナギでしたがそれももう過去の話です。
それではその5です。

その5-2011819
悪魔の飽食なのか?

お刺身

絶品とされているイシナギの刺身だが、その巨体故遊漁では
なかなか処理が難しい。

遂に憧れのイシナギを食した。
一見スズキとイメージしたものの、身質、食感、味、それは全くの別物でした。

昆布〆

美味しそうな昆布〆。彼の得意技らしい
身を切る触感はとても柔らかいながらも、筋繊維がしっかりしており、日数が経ってもコリコリ感が劣る事はなく、また熱を加えても身崩れする事なく、プリプリ感
(例えるなら、エビや鳥モモ肉のような)が味わえるので、どんな料理でもしっかりとした歯ごたえだった。

刺身、しゃぶしゃぶ、昆布〆、漬け、塩焼き、煮付け、揚げなど、・・・何にしてもパーフェクトな魚で、その中で私が感動したのは、「昆布〆」であった。
昆布を敷いて3日ほど寝かせた身は、昆布のうま味を吸い、かつ味わい深くなっている。
  一般的に魚身は時間が経つと柔らかくなるのですが、イシナギの身はこのコリコリ感を残したまま、味わいが深くなっていくのだ。ちょっと大げさな言い方かもしれませんが、究極の魚料理がここにあった。

私が知るイシナギは、肝臓にはビタミンAを多く含んでおり、その肝臓を食べるとビタミンA中毒(症状としては頭痛や吐き気、皮膚が剥がれる)になるので、1960年に食品衛生法で、肝臓の販売は禁止になった。
イシナギに問わず、サメ、大型魚、老成魚などの肝臓はたくさん食べない方がいい・・・というのが定説だが、特にイシナギの肝臓には、魚類の中でもスバ抜けてビタミンAを多く含んでいる。

ここで補足しておきたいのは、「ビタミンA」とは、生きる為には絶対に必要で、成長、粘膜や皮膚再生、免疫力UPに欠かせない化合物であるということ。
過剰摂取は先ほど述べた通りですが、逆に欠乏すると夜盲症(鳥目)になったりと、多くても少なくても体に良くないという事ですね。
よくビタミンAの欠乏による夜盲症の薬として、ヤツメウナギの乾物を食べると良いと言われており、これもイシナギ同様、ビタミンAを多量に含む魚であるからで(含有量はイシナギと比べると少ない)、もちろん頻繁に食べると中毒になる事は言うまでもない。

イシナギの「食」に関して、ほとんど知らない事ばかりで、魚人生を歩んでいる私にとって本当に良い経験をさせてもらいました。

加工されるカマ


その6へつづく

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