楽園の終焉Ⅱ2011-6 ― 2019年10月23日 14:08
ヒットしてから合わせを入れ態勢を立てると、どんどんと走っていった。
開始早々の初日に力も入らないが、相手は暴君だった。
「もっとドラグを締めて。」
キャプテンバチョがそう言う。
まあこんなもんかな?とも思ったがロッドにまだ余裕はあるし、魚はある程度先に居たので大きく半回転弱ほどリールのドラグノブを締めた。
ボートのフォローは程よく、アングラーに合わせてよく追従してくれている。
一発目にしては、なかなかの魚らしく、まだまだ試運転中の体にはかなり堪えていたが、一気にアドレナリンと共に回転数を上げてみる。
とそれがなかなかの相手らしく、早10分が過ぎようとしていた。
最初は、まあまあのサイズと言っていたキャプテンの話からするともう上がってもいい頃なのだが相手は一度浮上しかかったがまたもしつこく泳ぎ始めた。
激流の中を必死で突っ込むGT
人間も必死である。
「どうもこいつは変な感じだけれど。」
船は、どんどんと流れて行った。
魚は、反時計回気味に下へ下へと力がかかりどうにもこうにも辛いファイトとなってきた。
そう思いつつ、それからまたさらに数分が経過した。
一度浮きかけたような感じがして仕掛けを回収にかかったが、それから奴はまた下へ下へと先回気味に動こうとしている。
いきなりの長期戦にクルーも笑みがでる。
SARAGOSAは、快調でドラグも大変スムースである。
流石は日本を代表する自転車メーカー。
もしかしたら、巨大ロウニンアジかも・・・・と期待としてみるが。
「名人、スピンハーネス出して。」
すでに20分が経過していたので、さすがにキャプテンも大きいかも?
そう言いだしたが、まったく浮いて来ようとしない相手になんだか本当に大きい魚の気配がした。
スピンハーネスを掛けてみたが魚は、相変わらず下へ下へと回り込みハーネスからリールフット、シート本体までに負担がかかってしまい、ついにFUJIのグラファイトシートは破損してしまった。
しかし、ここで慌ててしまっては、元もこもないので落ち着きつつもリールシートを締めなおしてもらおうとしたが、これがもう動かないほど固まっていてネジも切れなかった。
なんとか応急的に取り繕ったが、再び外れてしまうのを考慮し、できるだけシートに負担がかからない様に左手はシート部分を握りながらリフトし、右で少しずつ巻き取っていった。
右でリフトすると肩が悲鳴をあげるので、ロッドの持ち手は左が基本になってしまったのであるがそれが案外と不便であったりする。
それも仕方のない事ですべてを受け入れる事にした。
すべてを受け入れるとなぜか不安の塊まで呑みこんでしまった感があった。
万事に於いてそれが成立するならば、“喰わば皿まで” という本当の意味が解ったような気もした。
その7激動の大物へとつづく



