南方回帰Ⅳ-影と闇と残光2014-62022年10月06日 18:07

 10月も6日関東はとても冷え込みました。房総はというと、先ほど11℃でした。それは寒い筈です。一機に10℃も下降しています。長袖はおろか上着まで出してきました。
11月下旬並みだそうです。

NEW632-S100- 01XP2-6Lb CLASS IGFA4Lb
 先日断水で一時帰省していた息子と釣りに行きました。コンクリに張り付いたオキアミとコマセの悪臭の中で不快な思いの挙句、いつの間にかレインギアに付着。最悪でした。コマセを巻くなら、釣り座は掃除して帰ると教育されましたが、それができない人が実に多いかと思うと情けなくなりました。そんな人に限ってかどうかは解りませんが車内はとても綺麗にしているような気もします。そう言う人は、たばこの灰を外に落としながら走り、車内が汚れるとゴミも投棄して帰るのかもしれません。コマセ袋なんて当たり前に捨てるのでしょうね。どんなアウトドア、レジャーにもそんな人々は、ある一定層いるものです。一体どういう教育を受けてきたのでしょうかね。

さてその6になります。
 

開戦

カントリーロード


戦となれば、双方同じ条件でぶつかる事はほぼ無い
それは、現代のスポーツ競技の世界でも同じこと
例え、あらゆる面で不利な状況であっても
とても困難であっても、それでも勝つ方法を見出して行かなければならない

それが戦というものらしい

PBタングステンハイフレームガイド


なかなか面白かった

タングステンカーバイドハイフレーム


 翌日の天気は、雨時々曇りのち晴れの日。
それまで、雨も降らず思わず雨乞いしたくなると言っていたY氏であるが、どうやら恵みの雨らしい。
 さて本番の出陣である。早々に荷物を纏めるとする。到着後は、息をつく暇もない感じである。移動手段は、師匠愛用のR号。それは、もう更に歳をとり過ぎてとっくにリタイアしたと思いきや、その5年後もなんと現役であることにびっくりしながらもその外観ボロボロのR号に必要な荷物を積み込んだ。それにしても良く頑張っている。まさかとは思ったが・・・確か5年前もそろそろ車を入れ替えると言っていたとおもうが・・・・・なんと今でも現役だった。
 荷物を積み終えると、専務と二人で賽ノ河原風のあの場所を目指した。整備が行き届いているのか、潮風でボロボロに錆びて朽ち果てそうなボディとは裏腹にエンジンはとても良い音がした。エンジンは、まだまだ走れると言っているようだった。その登録年は見てないが恐らく20年選手かもしれない型である。他の送迎車を見て回っても、ぱっと見ここ数年のうちに切り替えたと思える年式ばかりだった。それだけR号は、古くかつ見劣りした。平成初期の生き残りなのかもしれない。

しばし走ると、目標地点に到達した。汗の中二人は、膝サポーターに磯必須の尻当(ヒップガード)、長ズボンに磯靴を装着した。因みにこの磯靴は、その5年前に1万円以上したものだが、いきなり今回、底が禿げてしまった。これは、神のお告げであると悟り一旦師匠の元に帰る事にした。案外と言っては失礼ではあるが、信心深く思慮深い専務の助言がかなり効いた。更に危険との判断で、専務がシ○ノのシューズを貸してくれ、専務は、師匠のタビを借りる事となった。タビ、これが案外理にかなっている。案外とタビは快適そうだった。次回から磯タビにしようかと二人で思った程である。それと、取り替え式の靴底は便利ではあるが、危険だと言う事を実感した。買ってすぐは軽快だったのだが、それは買った当時のみの話だったようである。マジックテープ機能は、全く衰えていなかったのにはその技術レベルの高さが伺われたが、靴本体とべりピタを貼る接着面が完全にその能力を失っていた。次回から、この取り替え式のものは、選択肢から外すようにしようとつくづく思った。

「さあ、始めるかね~。」

専務はと言えば、所謂呑みこみがとても早かった。
今回が初めてにも関わらず、リグも完璧だった。その手際良さには感心した。彼は、一度教えるとすぐものにしてしまう。(勿論何度も下準備と打ち合わせはしたのだが)
それだけ、自ら近道を知っているのであろう。
“守”は完ぺきに守られていたのである。

目標は、はるか上にあればある程、最短コースで行けるところまでは行った方が良いと思うこのごろ。何故ならば持てる人生には限りがあり、更に体の自由と無理が利く期間ともなると人生の大半を寝る事と労働する事に奪われてしまう。そんな人生とすれば、尚更である。残念ながらここが欠けていることに気が付かない人々が、どれだけ多く存在することか。それが持論による拘りにもなるのだが、こだわりは得てしてもろ刃の剣のような気もする。こだわりも良し悪しだろう。残念ながらそんなことは、釣り動画にもDVDにも、雑誌にも何処にも映っていないし、記載もない。おそらく動画配信サイトにも、でていない。年に数度か行われる釣りセミナーの中でも、道具の説明と釣り方云々は多く語られても、本質いついては語られる事はほぼない。それどころか、その半分は、主催者の販促であったり、あまりあてにならぬ情報だったりするのかもしれない。ここの重要と思われる基本的な考え方や方法の部分は、元々培った教育環境に依存するとも言えるが、現代の義務教育がそこには全く触れていない事実の表れととることもできると言えよう。それだけ世の中に情報と言う必要以上の知識が山積みにされて、どこを拾ったら良いのかで止まってしまうか、片っ端から片手落ちの状態で吸収風になってしまうのだろうか。

 さて彼のリグの組み付けに於いて教える側が、これだけ楽な事はない。テキパキと己の武器に磨きが掛かっているからである。それは、初日の多少の説明で十分話が通じた。
 当の私は、当初このリグを初めて見た時はなんだか闇夜の中の現場では理解するのに物凄く時間がかかったのである。その時、現場で初めてリグを見てからの釣りは、何とも心細かったのを覚えている。それからあっと言う間に10年が過ぎ去ってしまった。これが今思うととても短く感じるのはどうしてだろう。

歴戦の勇者


 戦う武器は、1363-um9pクラスの竿とAVETのラプターモデルと言うマルチパーパスなコンベンショナルリール(両軸リール)。その豊富な知識と世界中を釣り歩いた師匠ならではの設計のこの竿は、正に現代のモーゼの杖であったりする。信頼のものである。

1363-UM9p


 今回使用するそのリールは、この釣りには最も向いていると思われる程で、その名をHX猛禽類と言う名前のリール。特段ハイテクでも、超ウルトラ高性能と言う訳でもないが、この手のコンベンショナルリール(ベイトリールを含む)では断トツの機能満載リールで、あらゆる釣りにマルチパーパスに使える超実践リールなのである。この手の発想は、我が国を代表する国内大手二社には全く持ってないと言っても過言ではない。もしくは最初から想定していないと思うくらいに選択肢が全く無い。むしろ意図的に限定モデル化して特化仕様が目立ち過ぎる傾向にあるのは、売る側の理屈なのは否めないところであろうか。但し、こいつの販売する側としての欠点は、世界にそれなりにばらまかれて価格も同一でないばかりか世界のいかなるルートでも入手が可能と言う事になっており、もう訳が解らないと言うのが現状である。使う側としては、便利は便利なのであるが。

1363-UM9p-2


 ターミナルタックル(仕掛け)は、既に欠かせない“Rリグ改”である。その先のフックは、OWNER社のゴリラでもリングドゴリラでもムツでもリングドムツでも良いのだが、ここはスタンダードと刺さり優先のゴリラを使う。使い捨て針ではあるが、とても優秀な日本製のものである。その切っ先は、オーナーカットと呼ばれる三方向のブレイドからなる化学研磨の先で、初期性能は恐ろしいほど良いのである。欠点としては、量産なりのメッキと少しでも刃先が当たっただけでその性能が半減されてしまうこと。よって、こまめなチェックを必要とする。それさえ怠らなければ、きっと多くの釣り人を良い方向に導いてくれるに違いない強い味方である。この部分は、他にこれ以上進化はないのではないかと言う完成度である。これらのターミナルタックル(仕掛け)に使うパーツは、一切妥協を許されないのである。
 多くの釣人は、ロッド&リールと言う根幹の部分には相当の力を入れるが、それより以下のターミナルタック等については適当と言う釣り人が多いのもこの手の釣りから遠のかせているのかもしれない。とても面倒なことばかりである。不便を楽しみその先の何かに期待するという釣りの中でも、どちらかというと参入し辛いところに位置すると思う。

その点はとても残念である。

1363-UM9P-3



その7へつづく