楽園の終焉Ⅲ-後半32 ― 2022年01月12日 09:17
-ファイナル-最終日-
もはや、シンキングルアーと言う存在は、GTと言うジャンルでも無視はできない存在なのかもしれない
更には、カウントダウンミノー的アプローチも出てきたのである。これを使用してもう数年が過ぎ去ったが、その版図は拡がりつつあるらしい
※画像カットしました。
それでも我々にはまた、朝が来た。
朝食の流れは、既にその1で記載したように、最終日も同じ事ではあった。無論、珈琲をしつこく飲めたのも私だけだった。どうやら、我々日本人には、どうも脂っこいらしい。いつも早い時間の朝食なので何とも言えないが、宿泊客のオージー達にはなんのこともないらしい。でも彼らでも胃もたれってあるとは思う。※楽園の終焉シリーズⅠより順にご参照ください。
最終日の船に乗り込むと、今まで何度も改善不能と言われてきたソフトドリンク対策は、大塚製薬の工場がインドネシアにも出来たのか、他の飲料と価格がそう変わり無く供給できるようになったことはこれ幸いであった。大塚製薬のこの元祖スポドリは、合成甘味料が入っていないことが私には大変助かった。どうも合成甘味料と私の胃腸は相性が物凄く悪い。合成甘味料主体のスポドリでは過去酷い目に合わされている。
ストレッチも早々に行うが、5日目となるとあちこち体が痛い箇所ばかりである。今までも大体のスケジュールは、5日間の釣りばかりでこれが当たり前のように感じてしまう自分が怖くなるが、フィッシュナビの担当者の話によれば、それはもう過激度トップクラスと言う事らしかった。どうやら過激ツアー万歳派は、どうやら誠に少ないらしい。
どうせ行くならば、良い潮周りを押えての5日間にも関わらず、海は水もの、予測付かないのはいつものこと。ましてや1日のみ勝負となるとそれは、かなり厳しい。少なくとも3日は、チャーターしてそのうち1日が良ければ(当たれば)良いと言う感覚で挑んで頂ければ幸いである。勿論3日押えたからと言って必ずしも良い結果がでるとは限らない事は、周知の事実ではあるが、それでも納得いかない釣り人が存在すると言うことらしい。更にクレームを言う輩が多少なりともいるらしい。それは、それで全く理解不能と思っても致し方ないところである。
さてさて何故冒頭からそのような話になったかと言うと、それは今回も後半は何とか離れ技で1本はキャッチしたけれど、TOPオンリーで勝負していたら今頃は、おでこ=ボーズだったところだったに違いないと思ったからである。最終日だからドラマを!と切願するものの、気合いとは裏腹にこれまたアタリは全くなかった。それで、昨日の状況からストライクプロを早速投入するものの、それでもアタリは全くでなかった。それは、潮が動き始めてもそれは、変わらなかった。
主力ポイント周辺をあの有名なボートが入れ替わり入ってくる。最近はねっからこのボートが人気らしい。栄枯盛衰を感じるし、今は弱体の一途をたどる国内GTゲームをよそに、インドネシアは熱い。そればかりか他のアジア圏、ユーロ圏もGT熱は世界を駆け巡っているらしい。これは、結果的に日本人が世界に広めた釣りになる。その日本人アングラーも、ロウニンアジをGTと言って理解できるようになったのが90年代半ば以降であろうか。その昔GTといったら車か?と言われたことがあった。それはミスターGTとも言われている私の師匠の功績だが、それを踏み台くらいにしか考えていない後輩達には呆れかえるが、それが業界の弱肉強食理論なのかもしれない・・・かもしくは単純にそれはうやむやにされているだけなのだろうか。
全くもってこのボートが、目障りとはこの事なのだが、相手にとっても、それはお互いの事である。問題は、何が?かと言うと、少しの隙間が空けばそこに横入れしようとするからで、これには少しプレッシャーを感じるので致し方ないところであった。Capt.に聞いてみるとお手上げということらしい。どこでも優劣という暗黙の了解やしがらみがあるらしい。ここも強いものが優先する理論は変わらない。簡単にいうと、ジャイアンということになろう。ここで専務が秘密兵器・・・・と言う事でもないが、ここ1~2年の間に浮上してきた、ベベルジャークと言う商品を引っ張り出す。これがある程度、貢献したのかどうなのか、元祖な釣り方ではないものの、GTと言うルアーキャスティングの線の釣りを、面の釣りにしたと言う事は、90年代では信じられない事かもしれない。このベベルと言う疑似餌は、オリジナルのマグナムミノーにウエイトをぶち込んでプラス90gのウエイトを稼いだものである。コストをそうかけずに商品化するパターンとしては、昨今多用されるパターンではあるが、それでもバランスはとらなくてはならないのでただ錘を入れれば良いと言う訳でもないのが難しい所だろう。
将軍様の方を見ると、彼もその横で見ていたが、彼はベベルを持参していなかった。私も見学としてそれを観る事にしたが、彼のルアーは、軽く投げるだけで飛んで行った。それから専務は、複雑に入れ込む流れに乗せてラインを送りこんで行くのだった。カウントダウン60秒くらい待つとそれは、底近くに到達するらしい。それから、ジャークをしながら巻き取ると言う基本トップと同じ竿捌きに近い動作を繰り返した。表層のそれとは違い、アタリを竿ですべて取る事になる。
それから様子を見ているとまさかの・・・その竿先が入ったと思うと、それはすぐにバットまで曲がりグン、グン、グン、と三段引きのように曲がった。その反動が専務の体軸までズンズンと揺れた感じがした。それからすぐに勢い良く直ぐにラインが出て言ったのである。
「よしキタ~!」
そのPEラインを良く見ると、そのカラ―が変わって行くが、前へ前へと海の中にラインが引きずられている感じに見てとれた。(ラインは10m毎に染色が5色にしてあるタイプ)
なんと、このパターンでも専務は喰わせることに成功したのだ。
そして、我々は、彼が合わせを入れたのを確認した。
糸は出て行くが、一旦止まると直ぐにライン回収に入る専務。そこの間合いの詰め方は、熟知しているようである。
リールの鳴きバネが鳴り、ジージージーと道糸が出ていくのだった・・・・・・・・(平凡で退屈な表現ですみませんこれじゃ小学校の作文ですね)
即ポンピング・・一回目。
2回目・・。
また糸が出て・・。
3回目・・・・・・。
4回目・・。
気合いをいれてポンピング&リーリング作業に勤しむ専務ことI氏
‟おおおっ・・・やった!”
だが・・・・喜びもつかの間だった。
竿のテンションが無くなり、明らかにその先の生命感が無くなっていた。
またまたまた、バレテしまった。
がっくりと首を落とす専務。その後ろ斜め下を目線に移して、片手を腰に当てるポーズは、反省のポーズにはうってつけではあるが何とも寂しい光景に見える。(かなりがっかりなようすだった)
魚はいる。
確かに居る。
そして、その疑似餌を襲い、喰って来たではないか。
どうなのか。
期待するのか。
バイトはまたあるのか。
それでも投げ続けるしか方法はない。
幾ら高性能に作られても疑似餌は、動かさなくては全く意味がないのである。
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