楽園の終焉Ⅲ-132021年06月01日 18:52

 初夏の訪れでしょうか。ホタルが既に舞っています。友人がわざわざ撮影に行ってきたそうです。房総のゲンジボタルでしょうか。まだまだ最盛期ではないみたいですが、それでもいよいよかと思います。今年も沢山見れるといいですね。日本での蛍狩りはまだ滅んではいないようです。

ホタル舞う1

ホタル舞う2
さてそれではその13です。

ホテル内ビーチ

ホテル内のビ―チその2

毎朝綺麗に掃除され、ゴミひとつない素晴らしい情景

それは、プライベートビーチならではなのだろうか

 その場所から早速10分程度車で移動すると、おなじみのボートがそこにあった。遠目には数年前と全く変わらない、同じ感じであるように見えた。変わった事と言えば、以前使っていたマリーナ風の事務所兼休憩所風&高級にしたい風のそのマリーナは全く使えなくなり、いきなりその裏手にある糞だらけのビーチに適当に降ろされた。

皇帝遊漁船

当時は、最新鋭風のカスタムボートで、GTを釣る為に生まれてきたボートその名も皇帝

しかしながら、いくらなんでも皇帝とは…だとは思ったがバリではそうなのだろう

そこに初老夫婦が営むカフェがひっそりと建っていた。
バラックに毛が生えた感じで、カフェと言ってはみたものの、古い駄菓子屋風茶屋と言った方が正しい表現なのかもしれない。
 廃材で組み立てられた風のテーブルには、おなじみの蝿達がいったり来たりした。もちろんそのテーブルは全く拭かれた様子も無い。
椅子は長い板で組んだだけのもの。それも寄せ集めな感じである。
隣で焼きそばを焼いていたが、これまた木のまな板風に適当にキャベツを切ると、淡々と野菜を切り適当に炒めていた。そこで水を飲んだ。勿論、ミネラルウォーターである。これが最大のもてなしであったが、それを素直に受け入れた。前回来た時とは大きく異なったが、それも様々な事情故の事。我々の選択としては、ただそれらを受け入れる。それだけだ。それならばその焼きそばを私も・・ということを口にした時、現地のTさんは、その焼きそばを旨そうに食べながら「ああ、絶対腹壊すので止めてください。」と即答だった。そうでしょうね。
 ここでは、汚いも臭いも受け入れなければこの先は我々に無いのである。汚物とゴミと楽園の浜。いいコンビネーションではなかろうか。ゴミと汚物の浜は、我々に相応しい。汚物の臭いは、NYの中華街でも時々風に乗って漂ってくる感じを思い出した。

 その遠目にみるボートは、まさしく過去と同じであったが、強いて言えば経年劣化の兆しは否定できない。もっと綺麗にメンテすればいいのになぁとは思うがそれもこちらの感想に過ぎない。きっと殆どノーメンテなのだろう。
 我々は、早々にライベル(活かし水槽)に魚を移して出港した。
キャプテンは、過去からおなじみバチョであったが、スタッフは代わっていた。過去2回は、いつもスタッフが二人付いていてくれたが、今回からいろいろあったらしく、Capt.バチョともう一人の計2人であったがそれに反対意見はない。ただただ受け入れてメニューをこなすだけである。そう言うと、ものすごく酷いところで汚いところで、味もそっけもない南アジアの島のように聞こえるが、馴れればまんざらでもない。全てを受け入れる事さえ出来れば楽園に近いとこ・・・ろ?・・・なのかも知れないとも思った。また、綺麗に心地よく過ごす事も贅沢をすることも可能なマジックな島なのである。そういうと幻想と魔術の島に聞こえそうですが、そうではないと思う。敢えていうならば、観光ガイドに書かないようなグレーゾーンの一部の事を取り上げてみただけ・・・・そう思えばなんの事はない。
喰わば皿まで。
上等ではないか。
 観光ガイドや観光サイトに自らその暗さや、闇を書くことはあり得ない事なのは当たり前のことで、ただそれが現実の全てではなく、一部である事に直ぐに気が付く事であろう。いや気づかずに終わることも可能である。

ボートが出発すると暫くして、神に祈る事から始まる。海の神様に安全祈願と大漁祈願である。ここは、ある程度世界共通なのかもしれない。
誰も明日を信じたいからだと思う。

浮き桟橋から望む

港の浮き桟橋から撮影する

 

神への祈り

出航と同時に思いと祈りを捧げる風

I氏とリアルベイト130

明日のない出港は、誰もが避けて通りたいと願うのだ。この島では無神論者でさえ頭を下げずには居られない不思議な力があるのか。
その長き歴史の中で祈られ続けて来たのであろう。

沖に向かうとその濁水の色は、青々と碧い水に代わる。
透明度の高い水が船に切られて行く。
南国の美しい海。
″たのむから、ビニール袋よ、姿を現せないでおくれ…‼“
″そして、もう二度と釣れないでくれ!ゴム草履よ!”


その14へつづく

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