楽園の終焉 END OF PARADISE 2010-Ⅰ-142018年12月24日 09:19

 師走も後半になってやっとこさここまできました。
並行して、南方回帰シリーズⅥを執筆していますが、まだまだ先になりそうです。
先回も、活字の重要性と面白さと言う事について少し触れてみましたが、表現と言うのは素人にはなかなか難しいものです。
それは、素直に認めます。
 あっさりと動画にする方が良さそうですが、これも1992頃から続けているのでこのままの路線で行こうと思っています。
 カメラも当時とは比較にならない程進歩して、日進月歩ですが、人間とその自然の一部である魚は
当時と何も変わりません。
 変わるとすると、著しく変わって行く環境の変化でしょうか?
最後は人間と魚との一騎打ちですから、ここはこの先も変わらないと思います。
 それは、人間の知恵の産物をどこまで利用するかにもよるでしょう。
高齢化する我が国の事情も加味しながらの事になっている現状もすべて受け入れての事ですが、まだまだこれからと言う勢いのある国が、いずれはその主導権を獲得するかもしれません。
 工業、経済先進国と言う名の我が国も既にそのピークを過ぎてしまったと言う事も考えて行かなければならないと思いつつ、またいつもの小さい釣りの話です。
それではその14です。

その14

脱藩者の行方

現地流ライトタックル


現地の釣り人。四万十川でも似た人を良く見かけた。
案外、ゴミは多く浮いている。
生活ゴミ満載に近い。
これが楽園の海とはにわかに信じがたい。

通常脱藩して浪人者となれば行方もしれず、武士とは名ばかりの位置でしかない。

その立場はなかなか辛いものであろうが、脱藩となればその一族まで辛いものとなったらしいがその実際はどれほどのものだったか解らない。
ただその浪人者の一人が歴史を変えた脱藩者もいたのも事実なのだ。

 親父組2人と親父候補(もう半分親父)のH氏といつものホテルで毎朝のナシゴレン。それなりに油も効いてくるので、麺にしたが同じ味で少し甘くおいしい・・・のであるが流石に5日間続けるとバリコーヒーが主体になって来る。
それも普通のティーカップに注ぐ為、3杯くらいは常になる。
 隣のオレンジジュースは果汁10%程度の昔良く飲んだ味。
日本で飲むと不味く感じるこの味もこの国では美味く感じたりするのは不思議である。

ホテル中庭


時間通り、ホテルのロビーで待つが、なんと運転手が昨日と違う。

中庭

聞くところによると、「出迎えの運転手は突然解雇になってしまったので今日は違う。」との事だった。

ホテルその2

 Cap.の表情は少し晴れた様子でいつもの笑顔にも重みはないように伺える。

テンションも親父組らしく、落ち着いて少し静か。

 洋上では、浪人を追って揺られる。
船は前後左右に揺られて急に減速して大波を越えてさらにまた加速を繰り返す。

後輩と私

どうした、後輩!

もはや、限界なのか。
いつもの水産スピリットは何処にいったのか。
元競技スキー部で元潜水マニアの洋二氏
いずれも筆者が不得意とする分野である。
こと、スキーに関しては全くセンスもない。

ふとH氏が気になり彼の方向をみると、やはり元気は少しなさそうに感じ水木しげるのマンガに出てきそうな魂の抜かれたサラリーマン風になっていた。
“よほど気付かれしているのかな”
まだまだプレッシャーの中にあり、疲れもピークなのであろうか。

ここのポイントがベストなのかボートは計3隻。
 流す位置は若干違えどもそれぞれがそれぞれでの思うところがあるのだろう。

さて本日は、舳で投げる人がいない。
既に、2人は日本に帰国していると思う。
 「さあ、じゃあ投げるか・・・。」
 親父達が浪人を狙う。
今日はリアルベイト130gを主力に投げる。
相変わらずS社のリールは秀作であるが色気も素っ気もない。
そればかりか、SFアニメから出てきたようなデザインは親父には受け入れ難いものがありそうだ。
 高級8本撚りのラインは、その細さからは想像もできないほどの強度。
これが近年のライトタックルの歴史を変えたと言っても過言ではない。
 そのラインに合わせたロッド、リール。
そして最上を誇るS社のスピニングリール。(どうも好きにはなれないけれど選択枝はそうないのが現実である。)

肩が軋み首は痛み、腕は痺れる、情けないが仕方がない。
腰が痛むがこれも仕方がない。
手首も痛むがこれも仕方がない。
 すべてとは言わないが若気の至りの結果である。
肩と首は職業病に近いとは思うが。

「潮が良くなります。 」とCapt.が小さい声でいう。
いい磯場に切り立った磯がうまく流れを小さく絞り、激流を呼ぶ。
碧白潮流は青龍となって、川の激流の如し。
 リアルベイト(疑似餌)は、激流の潮騒にかき消されて着水音はボートまでは伝わらなく、白に揉み消されそうになるが、ラインスラッグを回収してその行方を確認する。
BG73Travel rod
 に最初のジャークを入れると擬似餌は激流を噛んでヒラヒラとヒラ打つ動きをする。

‟これは、喰う。“
太陽光を僅かに反射して、波に揉まれながらも目視可能。

キャストしてはアクション、またキャスト、その繰り返し。
その繰り返しの作業ではあるが 暫くすると釣り人の勘というか第六感というか、海中から漂ってくるなみなみならぬ生命感だけが感じられるようになる。
 これだから釣りは辞めることができない。

スタンバイ

己の野生を呼び起こす。

「オオキイ、いいサイズ!」とCapt.が小さく叫ぶ。
「アワセテ!」
ロッドがキュンと曲がる。
腰を溜めて一回、二回ほどアワセを入れてやる。
一気にロッドはバットまで撓るとたまらず我慢していたリールからギギィ・・・ともジャーとも解らぬ悲鳴を上げて奴の首振りと同調しきれた筈のロッドの撓りと同時に音を立てていった。

その15、大型の獲物につづく

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