BLACK DRUM IN NJ-06(00)-8 ― 2017年11月22日 17:57
分厚い口に御髭まで蓄えているが、これは、このドラムが底生動物を主力として餌にしているのではないかと容易に考えられる。
口もやや下向きにあり、歯はざらざらとして細かいが甲殻類は丸飲みにしているのかその奥に喉頭歯が有るタイプなのか確認していなかったのはとても残念である。
餌は、カニとくクラムなので日頃からこのような餌を食べていると思われるが、いつか研究者から話を聞きたいと思う。
勿論全て英語だが。
鼻腔は2対、前鼻腔から水と一緒に匂い成分が入って後鼻腔から出て行くシステム。
もう少し掘り下げてこの魚体を解剖学的にも理解したいところである。
立派な体型は、成魚の風格でもある。
こうしてみると個体差がかなりある風に見えない事もない。
そして、とても立派な側線が確認できる。
ギャフ掛けの都合上いつも血まみれになる撮影は若干残念ではあるが、キープされるためなのか、アメリカ人はそれを気にしていないのか判らないが、それは多く望めない。
この魚は、当時の州規則で1日一人3本までキープできた。
この日は、5人だったので、計15本が許されていた。
(キャプテン、カメラマン、アングラー3人の計5人と言う計算になる。)
しっかりとした資源管理の元で行われている。
その点に的を絞ると我が国には残念ながらその法律はない。
この国では、サイズやキープの違反は即切符で罰金となる。
このレギュレーションは、州によって異なる。
キープする魚の扱いは真に雑ではあるが、そこは流石合衆国である。
我々にとってはかなりの重労働な作業であるが、キャプテンはもろともしなかった。
画像は持ち上げようとする友人とドラム。
抱えるにも一苦労する。
その尾柄部と尾鰭は素晴らしい。
胸鰭も案外長くてシャープなイメージは、面構えからは想像しにくい魚である。
この胸鰭は、ロウニンアジに似てなくもない。
最大サイズを抱えようとするが、一人ではなかなかである。
折角のシャツも何もかも粘液と血まみれ。
正確には計測していなかったがイグロの160qtには全く入らないサイズで、このクーラーに入った小さめの2本以外は、すべてキャプテンの御持ち帰りとなった。
この右の画像は、恐らくは40kg前後だったと思うが記憶は曖昧でだが、決して今流行の望遠や魚眼レンズ、前出し撮影はしていない。
この魚は、老成魚の風格もあった。
最大級でも120Lbくらいだったと聞いたのでこのサイズだと大きい方ではあると思う。
北米では、魚の名前は単純なのが多い。
この魚がブラックドラムと言うのに対してルアーで良く狙われるレッドドラムと言う魚がいる。
レッドはブラック程大型にはならないが、なかなかゲーム性もパワーもあり人気のゲームフィッシュらしい。
もうひとつ、西海岸でホワイトシーバスと言う種類のものがいるがこれが日本で言うオオニベと比較的近い種類に見える。
詳しく分類した訳ではないが、かなり近い種類に思える。
因みにと何年か振りにIGFAの記録を調べてみたところ、ブラックドラムのレコードは2015年現在のオールタックルで51.28kg、レッドドラムでなんと42.69㎏あった。
かなり近い数値であった事には少々驚いた。
さらに序ばかりとJGFAのサイトで確認したところオオニベは27.00㎏であった。
それでも日本にもまだこのようなニベ科の魚が少しでも存在することに完全にフィールドが終わりではない事に救いようがあると感じた。
勿論非公式であれば、どちらも更に大型が上がっている可能性も容易に想像がつく。
何れにしてもスケールの大きさと豊かさでは圧倒的に負けているような気がした。
これが北米大陸の実力と言えば実力なのかもしれない。