楽園の終焉Ⅱ2011-12 ― 2019年12月30日 18:04
スタッドレスタイヤにも換えていません。
もしかしたら、幼少の頃言われていたのかもしれませんが。
緊張の一投から、時は空転する。
空転に継ぐ空転。
回転する心。
回転から迷走へ。
頭の中は、無心と言いたいところだが、
すぐに不安が顔を出す。
それから暗転の兆し。
不安の闇は増殖する。
なんとも早く変わる心。
情けないではないか。
人の心はすぐに変わる。
3人がかりで投げては巻き、投げては巻きを繰り返すが、潮の流れは轟々と流れてはいるが一向に反応がない。
大潮が手伝ってとても早い流れは、急流の大河川並み。
これは困った。
海の上は解らない。
解らないのが当たり前。
心と気合の空回り。
魚は出ない。
出てくれない。
出せない。
出す事ができない。
全く咬み合っていない。
あっという間に1ラウンドが終わろうとしていた。
岩と岩の間をボートが流れに沿って流れて行く。
蠢く碧い龍とでも言ったほうが良いのであろうか。
青に蒼、白きに飛沫。
流れにながれて流されて。
前衛二人も疲れがでてきたのか、多少ペースが落ちたかに観えたが、それでも彼らの真剣さは変わらなかった。
今一魚の反応が無いのがとても気になったが、それも自然の悪戯のようにしか観えなかった。
ラインを回収して、改めてタックスボックスの中を覗いてみる。
今まで3日間、ペンシル系で通してみたものの、アタリは、リアルベイト130g ウメイロのみ。
この流れでは、ポッパーが良いとは思えないので、ここはあえて20cmミノー100gに替えてみた。
岩との間のチョークな流れから吐き出されるように流れる大量の水は、収まる様子もない。
「今潮があまり良くない、これから。」
キャプテンがぼそりと言う。
何度かボートを流すうち、本流筋に気配がないのが気になりだした。
そして、対岸の際から巻き返すサラシが少し気になった。
ヤツが付いている気がした。
さらに、少し気になった。
釣り人としては気になるところがあれば、そこは必ず攻めるのがセオリーであろう。
"試しに打ってみるか"
そう思った時には、サラシの中にルアーは弧を描いて投入されていた。
このパターンは、ルアーにヒラ打ちさせながらリトリーブが効きそうだ。
そう思った通りにサラシ下にルアーを流す。
20cmという小魚風の疑似餌をサラシの切れ目で横にヒラを打たせて見るとサイドフラッシュが偏光グラス越しにもはっきりと反射する。
一投目、いい感じ。
水際からサラシへとリトリーブ。
連続でヒラ打ちさせる。
"うーん、狙いに狂いがあるのかな。"
しかし、これならイケるかもしれない…そう思えてきた。
2投目
同じように波がぶつかってできる白いサラシの間に打ち込みを試みる。
連続してヒラ打ちアクション&リトリーブ。
反応はない。
ボートはすこしずつ位置を変えて行く。
3投目
"頼むよ!"
と念じてはみるものの……。
もっと岸ギリギリにタイトなポイントに投入。
"とても良いリフレクション!"
ボートはゆっくりとポイントを通過する。
リフレクションを二度、三度と入れてみる。
"グワリ"と疑似餌の左下側から巨体が反転するのがはっきりと観えた。
「出た!!!」
一気に絞り込む。
反転する奴の姿がはっきりと見えた。
空かさず竿を立ててフッキングさせる。
空かさずキャプテン、クルー共反応を見て臨戦態勢に移る。
一度間髪をいれず腹筋に力を入れながら、瞬発的に合わせを入れた。
2度ほどリールのハンドルを巻き、鋭く息を吐き、
追い合わせを鋭くもう一度。
そしてまた2度ほどハンドルを回して巻きあげる。
ロッドが大きく弧を描くが、リールが堪らんと言わんばかりに、リールスプールが逆転をして悲鳴を上げる。
このTICAタリスマンは、当時格安大物用スピンとして注目を浴びた。
まさに?TALISMAN?であるがその後全く聞かれなくなったのは残念である。
とてもとても強く、流れも増して更にリールの逆転に加速させた。




