STARGAZER14-8 ― 2024年09月19日 22:35
終わりに添えて
長い人生と思っていましたが、私が竿作りをして早30年を越えるようになり四半世紀以上をこれに投入してきました。30年も続けてくると当方が最初に言葉にしたことやコンセプト、釣はいつの間にか他のお株になってしまっているのも散見されるようになりました。それは私自身がやってきたことが全く無意味なことではなかったことの裏返しなのかもしれません。これで恐らく現役人生の半分前後を使ったことになりそうです。
月竿は、ビルダーである平野1人と唯一の専属である家内と二人三脚でやってきた、最小規模の零細です。既に旧HPやブログの「はじめに」の項でも何度か述べた通り、釣具メーカーとしてある程度の規模とか大きさは望むところではありませんでした。規模と名声と言う野望のベクトルは既にここで大きく一般的なこととはズレてしまっていたのかもしれません。しかしながらその製品は、亡き師匠からの遺言でもある一流でなくてもいい「一級の名に恥じない本物」だけを追い続けてきました。今後も私が製作できなくなるまでそれは続きます。それは、月竿が持つ生涯保証です。いつかは忘れ去られるであろうことは重々承知しておりますが、それでも幻の名竿と呼ばれるならそれは私の中の成功であると感じております。この単純な短い人生に気付かぬまま、生きる人々へのせめてもの無駄な抵抗なのかも・・・しれません。
随分と昔の話、私にも駆け出しの若い頃がありました。私にも初めてのことでしたが、釣りの師匠になるその方はこう仰せでした
「なんでも最初にやった奴が偉いんだよ」
何十年経ってもそれを忘れることはありません。仰せの通りです。あとだしじゃんけんなど誰でもできることですからね。
唯一無二のカスタムロッドでありたいと願います
2000年初頭のNEWELL
90年代のPRO GEAR
スピンモデル
Stargazer14-M.
K-FW野生火モデル
祈幸釣
闘うあなたに勝利を
荒廃の中の幸福を手中に・・・・・・
あなたの静寂な日々の中に宿る情熱と
こみあげてくる闘志に・・・・
その釣りという脆弱な歴史にその銘を残すことを諦めない
それが月竿
祈幸釣
2024年9月吉日
釣竿工房 月
代表:平野元紀