楽園の終焉Ⅲ-15(大きい岩本編) ― 2021年06月18日 15:19
-そこは、大きい岩–
幾度となく見てきた船からの銘ポイント
バリ語でバトゥアバとは、大きい岩と言う意味らしい。
痛恨の連続の割には、やる気が落ちていない専務と、やる気は漲っている不敵な笑みの将軍様。そして、もうどうでも良い感じの筆者。
もはや、ヤジさんキタさん状態になって来た感があるが、やる気がある事は良いことである。
「大きい岩行きます。」
「はい。」
皆さんの異議は勿論ない。
暫く航行するとあの岩が見えて来た。
船のエンジン回転が落ちていき、徐々に遅い音に変わってくると、そろそろポンイントに近づいて来たと言う感じであろうか。
″みなさん、戦闘準備ですよ~”
少しずつ、この釣りのここでの流れが読めてきたのか、はたまたやる気が出てきたのか、彼らはその以前とは臨戦態勢フォームが異なっていた。Capt.は、様子を見ながら、船を大きくスロー旋回をしてみる。
他船が一船近くにみえる。
勿論、GT狙いの船である。
船と波との間、お互いが近い距離であったりした時、サングラス越しに観ると、もう既に何度も叩いている最中の様だった。
またその船は、攻めあぐねいている感じも観てとれた。
流す位置を少しずつ換えながら叩いて回っている様子。
しばし眺めていると、どうやら、ポッパーオンリーの釣らしい。
海上は、どうもざわついていた。
「ああ、イルカが見える。」
なるほど、よく見ると時々その背中を出してなにやらジャンプしている。岩のすぐ沖合をイルカの群れがジャンプをしていた。ベイトを捕食しているのか、追っている様子だった。通常ならばこのイルカ君はノーサンキューなのですがね・・・。少なくとも釣人には。
ふと下を見ると、海中をなにやら茶色い物体がゆっくりと進んでいる。イカ?な訳はないよね。
「なんだろう。」
「亀もみえます。」
「ああ、亀ね。」
ダツっぽいものが同じく飛んで、ボイルしている。
「ダツです。」
Capt.の意見は、的確であった。言葉もそのまま日本語で。
「はい、始めてください。」
この海面のざわつきは、良い傾向と観たが果して。
専務と将軍様は、舳に立ってポッパーを投げる。
出そうな雰囲気は、やる気も相乗されてなのか、満々である。やる気満々オーラ全開と言ったところであろうか。
同じ場所でも、毎日毎時その状況は異なる
この場所での主要なポイントは、いくつかある。
そのうちの大場所は、突きだした半島状の陸地と、恐らく太古の昔はそれが一つの陸地であったであろうその大岩と、その間を流れる激流がそれである。そしてその奥側に潮通しの穴があるもうひとつの吐き出し。主にこの2つが大場所である。ボートによっては、この大場所のみを繰り返し流し続けるものもいる。
あの有名船は、いつもこのパターンであると聞く。
我々にもそう映っているところをみると多分にそうであろう。
前衛二人の先頭は、将軍、そのすぐ後方は専務であったが、これまた使用するのは本日一番のヒット&バイト数のあのポッパーであった。
しかもあのブラックカラー。なんでも数年前は、パラオGTキラーとも言われたものである。(現在は死語になっているらしいが・・・・その後はあのプアマンズ○○○と異名と取る名品ペンシルが席巻しているらしい?)
ビュン!!と言う竿が風を切る音。その後、すぐさま糸が鳴る音、ガイドと干渉しての音なのかかすれた様な音。数十メートル先での着水する。
そして飛沫。
そして繰り広げられる、水飛沫とポップ音。
そのリズムは、なんとなく一定気味。
ロウニンアジ狙い。
ロッドをしゃくる度毎にその全面に飛び散る飛沫とポップサウンド。
一見繰り返しのようには見えるが、潮と流れを読みながらのポッピングである。
その直後のことであった。
「ああ、あっ!出たっ!!」
Capt.のヒットコールと共にまたまた船内騒然。
「合わせて!」バチョが叫ぶ!
専務が合わせを入れている。
乗ったみたいである。
今度こそは、乗ったみたいだった。(掛かったみたい)
Capt.の指示で、将軍と専務が入れ替わった。
彼は、舳(先端)に移動するも、やや慎重気味な動きで、本日まさかの3ヒット目である。これはもう凄いヒット率である。まあ、それが獲れればの話なのだが・・・祈り。
一回、また、一回とポンピングしてリールインする。ボートは、後進を掛けてゆっくりと根から剥がしにかかる。(ナイスフォロー)
「よしよし、そんなに大きくない 。」
専務は、今度は絶対にバラシたくないと言う意思と心が見てとれた。それは、バラシまくった人でないとその気持ちは判らないだろうけれど、多くの釣人はそれを何度も経験しているかと思う。
「ああああ。」
「・・・・・・・。」
「バレタ・・・・・・・・・・・。」
「えっ・・。」
船内は、更に落胆のため息で充満していた。
なんと本日連発3バラシは、かなり痛手である。
さっ3回・・・・・も・・・・あり得ない・・・・とほほほほ・・。
これも現実なのであろう。現実は、時にいつも冷たいことだけがエンドレスで付きまとう。
合わせを入れたのであるが。
何とも辛いところである。(辛いよなぁ)
しかしながら、どうやら魚の活性は、すこぶる良い感じである。落胆するのは後に置いてきて、気持ちを入れ替えてまたトライしようではないか諸君。
ここまで専務は、持てる気力と技術を持って挑んできた。
トライ&エラー。
そしてまたトライ&エラー。
そして、痛恨の3つ目のフックアウト。
なんとも耐えがたい事ではあるが、現実を受け入れましょう。
それしか我々の進む道はないのですから。
気を取り直して、船をまた同じ位置に廻しにかかる。
反円を描きながらゆっくりとボートを回しにかかる。
″専務と入れ替わってちょっとやってみるか”
と私が入れ替わる気に少しなった。


